ミサイル発射!どうする? 市内で初めて対応訓練 内閣官房と道、市が網走四中で
北朝鮮のミサイル発射に伴う全国瞬時警報システム「Jアラート」の発出が相次ぐ中、弾道ミサイルが北海道上空を通過した想定の訓練が網走第4中学校で行われた。
地震などの災害、火災などの避難訓練は適時、実施されているが、弾道ミサイルの飛来を想定した訓練は、市内で初めて実施された。
内閣官房と道、市が地域住民と連携した訓練で、オホーツクに弾道ミサイルが飛来する可能性があると判断されたとき「どのように避難するべきか」を学んだ。
通常、弾道ミサイルの危険が迫ったとき、国は多くの国民が所持しているスマートフォンなどにJアラートを発出して、状況を知らせる。
だが、学校や病院などの施設では、勤務する教職員や生徒らはスマホなどを携帯していないため、Jアラートを受けることができない。
また、網走市には津波・防災スピーカーなどは設置されておらず、情報を伝える手段は「防災ラジオ」だけとなっている。
訓練は、地域住民が公開授業で学校を訪れている中、弾道ミサイルによる危険性が迫っているという想定で行われた。
授業中の午後2時25分ごろ、職員室に配置している防災ラジオからミサイル発射情報が流れ、教頭が状況を把握。
教頭は校長に状況を報告し、直ちに生徒と教職員、来校者に 体育館への避難を呼び掛けた。
教職員は生徒、来校者に「できるだけ窓ガラスから離れて避難して」「落ち着いて、あわてずに歩こう」などと呼び掛けながら移動した。
体育館では、傷つくと致命傷となる「頭部」と「内臓」を守るため、両手で頭を抱え、床に伏せて下向きで丸くなる「ダンゴムシのポーズ」で待機した。
その際、ミサイル飛来の衝撃などで、体育館の照明機器が落下する可能性や窓ガラスが破壊される可能性があるため、できるだけ危険を回避する場所を探した。
その後、防災無線からミサイル通過が伝えられると、全員がほっとした表情で、訓練の無事終了となった。
生徒会長の幸田岳さん(3年)は「災害訓練の経験はあるが、ミサイルは初めて。ガラスから頭と体をしっかり守ることが大事だとわかった。実際の時はパニックになるかもしれないが、訓練がきっと役に立つ。家族に伝えたい」と話した。
藻琴町内会長の小柳哲也さん(74)は「最近は連日のようにミサイルの情報を聞く。万が一に備え、町内会でも避難の方法などを伝えていきたい」と気を引き締めていた。
訓練は午前中、網走市役所でも実施。庁舎内で訓練用Jアラートを流し、職員が部屋のブラインドを閉めて、防災ラジオやメールなどで、市民に避難を呼び掛けるなどの手順を確認した。
国は弾道ミサイルが飛来する可能性があるとき「なるべく安全な場所に移動」「姿勢を低くする」「頭の上に少し空間をあけ、手元にあるもので頭を守る」ことを呼び掛けている。
ポイントは、けがをすると致命傷となる「頭」「首」「手首」を守ること。
内閣官房は「万が一の際、とっさの判断は意外と難しい。自宅や職場など、具体的な場面を想定して訓練をしてほしい」と話している。
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