落札を喜ぶ馬事コースの生徒たちと「光翔」

【新ひだか】静内神森の北海道市場で開催の１歳馬競り市「サマーセール」（日高軽種馬農協主催）で21日、静内農業高校（赤穂悦生校長、生徒１６０人）生産・育成の牡馬「ナリタトップスターの２０２２（幼名、光翔）」が上場し、２００万円（税込２２０万円）で新ひだか町のジャパンアクセスコーポレーションが落札した。昨年春に同馬が誕生してから世話をしてきた生徒たちも感激の表情を浮かべ、競走馬としての活躍に思いをはせた。

　畜産系生産科学科のある同校では、全国の高校で唯一サラブレッドを生産しており、生産科の生徒が毎年１頭の割合で繁殖から育成まで携わっている。これまでにユメロマンやゴーゴーヒュウガが中央競馬で勝利している。

　同馬は父ノーブルミッション、母ナリタトップスター（母の父ディープインパクト）の血統で、鹿毛の牡馬。昨年春に誕生後は馬事コースの３年生16人から愛情を注がれて育てられた。

　競りには、亀井奏汰さん（大阪府出身）、髙橋慎一さん（札幌市出身）、中村波音さん（東京都出身）、堀川優馬さん（埼玉県出身）の４人が担当した。

　当日の展示では訪れた馬主のリクエストに応え、引き馬で状態の良さをアピール。競りでは堀川君が同馬を導き、２００万円で新ひだか町のジャパンアクセスコーポレーションが落札。競りを見守っていた生徒や関係者はほっとした様子で胸をなでおろした。

　引き馬をした堀川さんは「入場する時は緊張した。16人で育てた馬を評価していただきうれしい。売れて良かった」、亀井さんは「これから先、けがなく調教を受け、競走馬としてレースで活躍してもらいたい」とそれぞれ話した。

　初日の21日は、２８４頭（牡１４４頭、牝１４０頭）が上場し、２２４頭（牡１１７頭、牝１０７頭）が落札され、売却総額15億９３４６万円（税込）。売却率は78・87％、平均価格は７１１万３６６１円で前年を上回った。