都会で感じられない魅力を オンネトー休憩舎 UPI社長に聞く【足寄】
足寄町が昨年建て替えたオンネトー国設野営場休憩舎「UPIオンネトー」が2年目を迎えた。町によると、2022年度の野営場利用者は前年度より378人増の1993人。新型コロナウイルスの影響で、人同士の距離を保てるアウトドアが人気だった20年の2411人には及ばなかったものの持ち直した。1年目の休憩舎利用者は8853人。運営するUPI(本社大阪)の本間光彦社長(54)は、東京などの店舗ではワークショップ(WS)の人数を制限するなどコロナ禍での難しさもあり、オンネトーでも「イベントの数をもっと増やしたかった」と話す。都市圏以外の初の店舗として、昨季は手探り状態だった本間社長に2年目の展望などを聞いた。
-2年目を迎えて手応えは。
当社は東京、鎌倉、京都に店舗があるが、足寄は唯一野営場に面している。ロケーションは自分たちでつくれないし、都会では感じられない場所であることが最大の魅力。集客面では昨季は秋の紅葉シーズンは多くの人が訪れたが、夏場の天候の悪い平日はほとんどいない日もあった。道具のレンタルもしていて、スタッフもいるので使い方をすぐ野営場で伝えられる。サウナ用のテントもあり、近くに張れる場所もある。昨年も何回かWSを行うなど、お客さまの満足度は高いと一定の手応えは感じた。今季は直近では7月下旬と8月初旬にWSを行う。より多くの人に来てもらえるような、魅力ある情報を道内外に発信していきたい。
-雌阿寒岳の魅力は。
天候の難しさは本州とは違い甘くはない。ただ、多彩な植生が見られ、樹林帯を抜けるとごつごつとした岩もあり、壮大なパノラマも楽しめる。数時間登るだけでこのような魅力を味わえる。しかも百名山。
-どのような店舗にしたいか。
体験型のWSが多いのがUPIの特長。オンネトーでは、当社でしか扱っていないブランドの道具の使い方や楽しみ方を近くの野営場で提案できる。あしょろ観光協会や足寄町役場の方が非常に好意的で、ワーケーションでのパソコン使用を想定したコンセントを付けてくれた。当社としても全く初めての形態で、営業期間も半年しかなく採算的にどうかとも思ったが、長く運営できるようにしっかりとタッグを組んで頑張りたい。一方で、休憩舎との位置付けもある。登山者の体調不良の際は医療機関と連携したり、道具が壊れたときのサポートをしたり、“駆け込み寺的”な存在でなければならない。
<UPIオンネトー>
アウトドア商品輸入販売の「UPI(アンプラージュインターナショナル)」(本社大阪)が運営する、オンネトー国設野営場休憩舎。阿寒摩周国立公園内のオンネトー湖畔の南東部で、登山口のそばに位置する。同社が取り扱うキャンプ用品の販売・レンタルや、町の特産品も販売し、飲み物や軽食も提供している。野営場の受付も兼ねる。6月1日から10月31日まで営業。午前10時~午後5時。
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