イチイバッティングセンター、10月末で営業終了【函館】
道南では唯一の屋外バッティングセンターとして、野球少年から中高年まで幅広く親しまれてきた「イチイバッティングセンター」(函館市田家町)が、今年10月末で営業を終了する。44年に渡る歴史に幕を閉じることとなり、利用者からは惜しむ声が聞かれた。
同バッティングセンターは、市内の小学校や福祉施設での給食事業などを手掛けるイチイ(函館市深堀町)が1979(昭和54)年に開設した。同社によると、敷地は道内の食品スーパーからの賃貸で、同社創業者の野本三政会長が亡くなった際に建物を解体し、土地を返却する条件が盛り込まれていたという。
今年4月に野本会長が74歳で他界したことから、地権者からの土地の返却希望に加え、少子化や野球人口の減少などを考慮し、隣接するゴルフ練習場「イチイゴルフセンター」とともに10月末で営業を終了し、土地は更地にした上で地権者へ返却することとなった。
営業終了を知って訪れたという西旭岡町の高垣孝志さん(68)は「久しぶりに立ち寄った。以前の勤務先で券をもらい、それを一気に使ったことがある。手にマメを作り、靴がボロボロになるまで打席に立ったことなど、思い出が多い。営業終了はとても寂しい」と残念がる。スタッフの本間久雄さん(67)は「長年通ってくれている人も多い。営業終了の話を知り、札幌からも久しぶりに訪れたという人もいる。一方で閉店後の練習をどうしようかという不安の声を聞く」と話し、子どもたちの今後に思いを寄せた。
同社ではバッティングセンターの営業終了に合わせ、利用者に向けた企画を検討している。
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