モルックの用具一式とルービックキューブを受け取る児童の代表

　【網走】子どもたちが市内の「いせの里児童センター」を楽しく利用できるようにと、網走桂陽高ボランティア部がこのほど、フィンランドのアウトドアゲーム「モルック」の用具一式と、ルービックキューブ５個を同センターに贈った。

　同部が製作、販売している「網走流氷キャンドル」の益金。藪中静果部長（３年）ら部員６人が同センターを訪れ「みなさんにプレゼントを持ってきたので、仲良く遊んでください」と、集まった子どもたちの代表に寄贈品を手渡した。

　モルックは、手に持った木の棒「モルック」を投げ、３㍍ほど先に並べて立てられた木の棒「スキットル」を倒すというゲーム。ボウリングとカーリングとビリヤードの要素が混じったようなもので、ルールは簡単ながら奥深いことから、フィンランドでは老若男女を問わず楽しまれているという。

　スキットルには１から12までの数字が書かれており、１本だけ倒れた時はこの数字が、２本以上の時は倒した本数が得点になり、合計50点を目指すというもの。

　集まった子どもたちは、贈られたモルックのセットを使ってさっそくゲーム―といきたいところだが、ルールも何も分からなくてはプレーできないので、まずは部員がルールを説明しながらプレーした。

　マットの上にスキットルを並べ、部員がモルックを投げて見本を見せようとしたものの、スキットルは１本も倒れずまさかの失敗。みんなが〝ずっこけて〟場がなごんだところで再挑戦し、何とかスキットルに当たると、子どもたちも「面白そう」と興味津々。２つのグループに分かれ、それぞれ２チームを作ってモルックを始めた。

　最初のうちはうまくモルックを投げられず苦労していた子どもたちも、慣れてくると１回で複数のスキットルを倒せるようになり、子どもたちは大盛り上がり。

　合計50点というルールも理解すると、「もう少しこっちから投げて」「あそこをねらおう」と、モルックを投げる前に作戦会議を開くチームも。同センターには、モルックを楽しむ子どもたちの歓声が響いていた。

　藪中部長は「モルックは初めてという子が多いと思うけど、ルールを覚えて遊んでいる姿を見ると、私たちも楽しい気分になります」と話していた。

　同部は２０１４年、廃棄処分で大量に捨てられていたろうそくを使い、オホーツクブルーに染まったろうそくの上に、流氷に見立てた白いろうの板を乗せた「流氷キャンドル」を市社協やシティ環境の協力を得て製作。オホーツク流氷まつり会場で無料配布した。

　これをきっかけに、流氷キャンドルの製作を継続し、学校祭で販売。「お世話になっている地域への恩返し」として、その益金で市内の高齢者施設や幼稚園に必要な資材を購入、寄贈している。

　しかし、新型コロナの感染が拡大して以降は学校祭が中止になったり、一般の来場を受け入れなくなったことから、学校外での販売に切り替え。現在は、道の駅流氷街道網走にある市観光協会窓口で販売することで、活動を続けている。