擁壁崩壊は局所的、土砂崩れの可能性低く 市が住民に応急対応説明【登別】
登別市美園町6の傾斜地がある住宅地で、コンクリート製のブロック塀が崩落し、土砂が流れ込んだ問題。市は12日夜、住民説明会を開き、現地調査の結果、擁壁崩壊は局所的で広範囲に土砂崩れが起きる可能性は低いとの見解を示した。住民からは「以前から危ない擁壁だと認識していた」などの声が挙がっていた。
説明会には周辺の住民ら約50人が出席した。市が12日に行った現地調査の結果を報告。松田毅総務部長は「擁壁は老朽化していたが、基幹となる道路に亀裂などの変化はなかった。(擁壁崩壊は)地盤全体のものではなく局所的と判断した」と述べた。
避難者への対応については、周辺21世帯に出ていた避難指示は、住宅が傾いた2戸を含む周辺6戸の住民を除いて順次解除。6戸の住民には居住が難しいとして公営住宅への転居を提案した。また、損壊個所をブルーシートで覆い、道路に土砂が流れ込まないよう大型の土のうを置くなど応急対応を施すとしている。
現場に住む住民は「山からの水で土がさらわれるほど地下水が多い地域。市には何度も相談していたが、連絡はなかった」とこれまでの市の対応に苦言を呈した。
「危ない塀だということは理解していた」とする住民からは「個人のものは個人でというが、これだけ問題があると認識していて本来は市で対応するべきではないか」との意見も出た。
市によると、今月10日未明、傾斜地の上にある住宅の擁壁がおよそ26メートルにわたって崩れ、住宅2戸が傾くなどの被害が発生。21世帯に避難指示が出されていた。
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