深川委員長から感謝状を受け取り笑顔を見せる清光君（右）

　病気やけがなどで頭髪に悩みを抱える子どものために、髪を贈って医療用ウィッグ（かつら）を作り無償で提供する活動「ヘアドネーション」に、室蘭市旭ヶ丘小学校を３月に卒業したばかりの清光煌人君（１２）が協力した。生まれてから伸ばし続けてきた髪を約５０センチ切り「病気の人の助けになれば」と話した。

母親の尚実さんから、入院中の子どもたちが勉強する院内学級の話を聞いたのがきっかけ。治療のため髪の毛が抜ける子どもがいることを知った清光君は「僕が伸ばしてきた髪でみんなを治す」と家族に宣言。「病気が治るパワーを入れる」と言いながら毎日髪をとかした。

　清光君は少年野球チームの中島リトルタイガースに所属。３月２２日、友人と家族に見守られる中、ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の決勝戦をテレビ観戦しながら、１２年間伸ばし続けた髪を切った。

　髪は同活動に取り組む室蘭北斗ライオンズクラブ（中鉢義登会長）へ届けた。同クラブは３日、市民教育委員長の深川三枝子さんが代表して「ヘアドネーションに協力してくれて感謝します」と記念品の文房具と感謝状を贈った。

　清光君は「生まれて初めて短髪にして頭が軽い」と笑い、「何より病気の人の役に立てることがうれしい」と話した。

髪を切る前の清光君