準優勝の賞状とトロフィーを手にする伊東さん

　釧路囲碁会館を主宰する尾越一郎九段の指導を受けながらプロ棋士を目指している伊東信義さん（１３）＝釧路市立共栄中学２年＝が３月２５、２６の両日に京都市で行われたボンド杯争奪第２６回全日本こども囲碁チャンピオン戦で準優勝した。もう一歩で念願の頂点だったが、目標としていた全国で４勝を果たし、また一歩大きな希望の道に近づいた。

　大会は全国こども囲碁普及会が主催するチャンピオン戦で伊東さんは中学生戦に出場。４戦全勝で決勝に進み沖縄の坂下悠太さんと対戦し、惜しくも優勝は逃したが「４勝できたことはうれしかった。これまで全国で３勝止まりだったので、目標を達成することができた」と振り返った。決勝の一戦については「中盤以降で乱れてしまったので残念だった」と唇をかんだ。

　伊東さんは釧路新聞社、日本棋院釧路支部と釧路囲碁会館が主催する名人位と本因坊の二つのタイトルを保持しており、現在はアマチュア九段格で中学生にして釧路一の実力の持ち主。今回の全国準優勝の結果に師匠の尾越九段は「良い結果を出せて良かった」と目を細めた。

　伊東さんは小学２年生の時にくしろ子ども未来塾（吉田敦子理事長）の講座で子供たちに囲碁の楽しさを伝えていた尾越九段に出会い、囲碁を習い始めて実力を伸ばし、一時は内弟子となって囲碁に磨きを掛けてきた努力家。「囲碁をしている時がとても楽しい。全国の大会で強い相手に囲碁ができることをうれしく感じている。また次の大会で頑張りたい」とより高みを目指して囲碁に取り組む日々を送っている。