大学生が魚さばきに挑戦 福田海産で教室【函館】
若者の魚離れを食い止めようと、福田海産(函館市宇賀浦町、福田久美子社長)で大学生を対象にした魚さばき教室があった。同社が取り組む食育活動の一環で、道教育大函館校の学生6人がホッケの開きやサクラマスの切り身など地元の魚をさばくことで、魚を身近に感じ、魚食普及について考えた。
同社は、3月3日に店内改装を終えリニューアルオープンし、料理教室ができるキッチンを新設。キッチンを使った第一弾の企画で、同22日に実施した。同社と函教大アースデイ実行委、食育地域商社「のこたべ」の主催で、函館市が共催した。
学生たちは同社スタッフの中里健一さん、西村勉さんの指導を受け、ニシンのマリネ作りに挑戦。ニシンの腹からカズノコや白子を取り出し、中骨をはがすなど恐る恐る包丁を握っていた。「包丁は斜めにして手前に引く」とアドバイスを聞くと、みるみる上達していった。ホッケの開きにも挑み、内臓や血合い、薄皮などを取り除き洗い流す作業に励んだ。
函館市の漁師、熊木祥哲さん(42)が漁獲した新鮮なサクラマス、ウミタナゴ、アブラコ、マガレイ、砂ガレイ、ババガレイを紹介。魚の特徴や食べ方を丁寧に説明し「魚離れが進み、魚が売れない。地元のおいしい魚を知り、学生に魚のファンになってほしい」と意気込んだ。
学生たちは塩焼きや刺し身、煮つけに調理し味わった。3年の西塚りんさん(20)は「大きいサクラマスを三枚にうまくおろせた。生きている状態の魚に触れたので、いつもと違う気持ちになって楽しかった」と笑顔を見せ、1年の清水青空(せいら)さん(19)は「初めて魚をさばいたが、教えてもらって何とかできた。家でもさばき方を生かし、料理してみたい」と話した。
学生たちは「魚がさばけたら家族に自慢したい」と声をそろえていた。
同社は、市民や観光客に鮮度のいい地元の魚を知ってもらい、食べてほしいとの思いから改装に踏み切った。大森浜が見える絶好のロケーションが売り。
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