路線バス「落石線」10日から実証試験【根室】
【根室】市は来月10日から、公共交通空白地帯の落石地区で、路線バス「落石線」を運行する実証試験を行い、同地区からの通院、通学の足としての可能性を探る。運転手不足や利用客減少に悩む市内公共交通の在るべき姿を探るために策定した「根室市地域公共交通計画」の一環だ。
落石地区はJR花咲線の利用が可能だが、駅舎から集落までの距離があり、公共交通の空白地帯が生じている。地域との意見交換会でも、通学や通院などで市街地に向かう小規模な需要に対応した運行形態を臨む意見が多く出されていた。
このため、市が事務局を務める市地域公共交通確保対策協議会(会長・竹本勝哉副市長)が事業主体となり、根室交通が運行する形で実証試験を行うことになった。
計画は「行き」が落石港を午前7時20分に出発。落石駅前、浜松、長節など10カ所を経由して根室高校着が同7時57分、市立根室病院が同8時2分着。「帰り」は、その逆行程で両路線とも所要時間は約40分。水曜日のみ市立病院を午後1時に出発する「帰り」便を運行する。
実証試験の乗車料金は根室交通ホームページに詳しく掲載されているが、落石港から市立根室病院まで全行程乗車で1140円。
市は4月1日から、子育て応援事業として、18歳以下と小学生未満の子供に同伴する保護者1名を市内区間無料にする「バス乗車フリーパス」を発行する。無料対象路線は花咲線、納沙布線、厚床線、西浜線、根高線に加え、同10日からは「落石線」も対象となる。
また、市地域公共交通確保対策協議会が28日にまとめた「地域公共交通計画」は、「子供と高齢者にやさしく持続可能な公共交通体系の構築」をテーマに、2027年度までの5年計画で、既存公共交通の維持と予約運行などの新たな交通手段の可能性を探る。約1カ月の意見公募などを経て成案化する方針だ。
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