啄木像の前で点灯式を行う渡辺建さん（右）、千葉美結さん（左）

　歌人の石川啄木が１１５年前に釧路に滞在したのを記念するイベント「第１８回啄木・雪あかりの町・くしろ」が２１日、港文館前広場などで開かれた。新型コロナの影響などで３年ぶりの開催。氷の器に入れられたキャンドルが５０個以上用意され、訪れた人たちは、氷点下５度の寒さのなか、キャンドルに照らされる雪明かりに酔いしれた。

　点灯式では、釧路信用金庫の渡辺建さん、千葉美結さんが啄木と啄木の恋人とされる近江ジン（小奴）に扮（ふん）して登場。啄木像の前で、共同作業でキャンドルに火をともした。近くの橋南西会館では、石川啄木の歌だけを争う「啄木一人百首大会」も開催。訪れた人たちは、雪の中でゆれる炎を眺めたり、友人らと写真を撮ったり、思い思いの時間を過ごした。

　３年ぶりの開催に実行委員会の岡本義幸会長は「無事、開催できたことに関係者の協力に感謝したい」とあいさつ。「きょうのような寒い日を石川啄木さんも同じ思いをしていたのだろうと思うと感慨深い。多くの人たちに啄木さんの姿に思いをはせてほしい」と話した。