逆境はねのける発想を 吉野家HD会長の安部氏語る【釧路】
日本政策金融公庫釧路根室中小企業懇話会(島本幸一会長)の新春講演会が18日、釧路センチュリーキャッスルホテルで開かれ、吉野家ホールディングス会長の安部修仁氏が「逆境の経営学とリーダーシップ~苦難を跳(は)ね除(の)けた発想と仕事術」と題し講演した。
安部氏は1949年福岡県生まれ。高校卒業後プロのミュージシャンを目指し上京。バンド活動の傍ら70年に吉野家にアルバイトとして勤務し、72年に正社員となった。92年に42歳の若さで社長に就任。在職中は牛丼価格280円への挑戦、BSE問題、牛丼業界価格競争など強いリーダーシップを発揮して元祖牛丼店吉野家のあかりを守り続けた。2014年に代表取締役を退任。
安部氏は、吉野家の牛丼は「うまい」「早い」がモットーで、毎日食べても食べたくなる味を10年かけて作り上げたことを説明。九州地区の本部長をしていた頃は200店舗構想があり、77年に国内100店舗、78年には200店舗を突破したが「急成長から牛肉のコスト高などの原因で会社は赤字に転落し、80年に会社更生手続きを申請した」という。再建のため「それまでの成長性から安全性に180度転換し、87年に当初計画よりも早く債務を返済した」と述べた。
また、2001年に吉野家「価値の再設計」として全社の大改革運動を行い、「店内の作業レイアウトなどを変更して生産性を向上し、品質、利益を落とさず400円だった価格を7掛けの280円にした」と語った。
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