バス路線再編2区間廃止 JR標津線代替、28年ぶりに会議【別海】
【別海】JR標津線代替輸送連絡調整協議会(会長・西村穣中標津町長)が27日、町役場で28年ぶりに会議を開き、2023年度以降のバス路線の再編方針を決めた。2路線(標津標茶線、中標津線)のうち、利用者が少なく別の交通手段がある2区間を25年3月までに廃止し、新たな協議会を設けて自治体の負担割合を決める。JRの代替バス路線を住民の生活に即した公共交通にすることが目的。
JR標津線の廃止に伴い、JR厚床駅とJR標茶駅につなぐ公共交通機関として、代替バス路線が1989年に設けられ、沿線自治体(根室市、別海町、中標津町、標津町、標茶町)で構成する同協議会が交付金を基金に路線を運行している。しかし、移動手段が自家用車に変わり需要が変化する中、利用実態にそぐわない運行で基金が年々目減り。実態に即し交通弱者の解消につなげるため、代替輸送の枠組みを撤廃し、生活交通路線へ予算を振り分ける。
具体的には、利用者が少ない標津標茶線(阿寒バス運行、往復8便)の西春別─標茶間を25年3月に廃止。標津─西春別間は来年10月からスケールダウン(減便運行)する。
中標津線(根室交通運行、同5便)は、別手段(中標津空港線)がある別海─厚床間を来年9月に廃止。中標津─別海間は来年10月以降往復3便程度に減便する。
再編により、根室市と標茶町が構成外となるため現協議会を解散し、来年10月までに新協議会を設けて別海、中標津、標津の3町で2路線の費用負担を利用率などを算出して協議する。
会議は89年に2回、転換交付金が終了した94年に1回開いたのが最後で、28年ぶり4回目となるこの日の会議には5市町の首長と議会議長、2交通事業者計12人が出席し、2議題をいずれも承認した。会議後、会長の西村中標津町長は「住民の移動手段を確保するバス路線の再編を進めたい」と述べた。
事務局によると基金は年々目減りし、今年度末の残高見込額は標津町の1億7800万円が最高。その一方、標茶町はすでに残高が0で別会計から繰り入れ補填するなど、ばらつきがある。
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