釧路在住の日本画家、羽生氏が文科大臣表彰【釧路】
釧路在住の日本画家、創画会会員の羽生輝(ひかる)氏(81)が2022年度地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)を受賞。15日に京都府民ホールで表彰状を受け取り帰釧した。「第1回目の釧新郷土芸術賞を受賞したときが31歳。あれから50年頑張ってきて、このような賞を受けることができてうれしい。いつも背中を押してもらっていた気がする。だから頑張れた。これからも自分は勉強を重ねていきたい」とますます創作意欲を燃やしている。
羽生氏は日本画界の最高峰の創画会で3度にわたり最高賞の創画賞を受賞、会員に推挙された。現在道内でただ一人の会員だ。道東の浜辺を中心にした厳しい自然の姿を力強く、またそこに住む人々の温もりを描き続けてきた。近年は釧路湿原の姿を雄大にして穏やかに描くなど、たえず新境地の作品づくりに力を注いできている。
2021年度北海道文化賞を受賞。今年は4月から6月まで北海道近代美術館で特別展「日本画家羽生輝展」を開催。そして今回は道文化賞をともに受賞した北海道歌人会の内田弘会長とともに地域文化功労者として表彰された。
羽生氏は長年にわたり、日本画家として優れた活動を行うととともに、一般財団法人釧路市民文化振興財団理事などを務め、地域文化の振興に貢献していることが高く評価された。
羽生氏は「京都から釧路に帰ってきて、改めて釧路で日本画を描き続けてきて良かったと感じた。釧路の自然が好きだ。若い頃は東京にいる画家をうらやましく思ったこともあったが、ここで勉強してきたからこそ今の自分がある」とゆっくりと言葉を重ねる。悠久の大自然、風雪に耐え抜く浜辺の人々と暮らしを描き続ける羽生氏。自宅2階のアトリエには次なる作品づくりがすでに始まっていた。
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