海難事故死ゼロ4千日以上 安全取組で水産庁表彰 網走漁協
【網走】網走漁業協同組合(新谷哲也代表理事組合長)が、水産庁の今年度「漁船の安全対策に関する優良な取組に対する表彰」を受賞した。
この賞は、漁船の安全対策に関する優良な取り組みを行っている漁業団体を表彰し、その取り組み事例を積極的に広報することで、漁業者の安全に関する意識の向上、また取り組みの推進を促し、重大な事故を減らすため、2016年度から行っているもの。
ブロンズ賞、シルバー賞、ゴールド賞の3段階となっており、ブロンズはライフジャケット着用義務など、漁業者の安全に関する取り組みをおおむね3年以上継続、かつ漁船事故に伴う死者や行方不明者、漁船事故を伴わない海中転落による死者、行方不明者が3年以上発生していない団体が対象となる。
シルバー賞は、ブロンズを受賞後、取り組みを引き続き2年以上継続、死者や行方不明者が通算5年以上発生していないことが条件。ゴールド賞は、さらにシルバー受賞後、2年以上の取り組み継続と死者、行方不明者が通算7年以上となっている。
同漁協は1997年、海難防止対策委員会を組合内に設置。ライフジャケット着用を義務化したほか、罰則も設定。さらに海難防止の広報や啓発、講習会の開催、また網走救難所による救助訓練などを通じ、模範となる海難防止活動に取り組んでいる。
特に、ライフジャケットは着用率アップにつなげたり、新しいものに買い換えやすいようにと、購入費の半額を組合が助成。これらが実を結び、事故の数も減少。海難事故死ゼロ4千日以上となっている。
また、関係機関と連携して広く地域住民に海難の恐ろしさと人命の大切さを訴えているほか、釣り人にも広く安全啓発を行など、道内漁協の中でも模範となる海難防止活動が認められ、今回の受賞となった。
今回の受賞に、新谷組合長は「漁業者にとって、板一枚下は地獄なので、命を守るための取り組み。今回はブロンズ賞なので、その上のシルバー、ゴールドとつながるよう、取り組みに力を入れていきたい」と話している。
今年度、ブロンズ賞を受賞したのは同漁協と愛媛県漁業協同組合寒川支所の2団体のみ。シルバー賞、ゴールド賞の受賞はなかった。
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