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釧路新聞

21年度鳥獣被害 エゾシカで44億8000万円、釧路管内は12億円超【釧路】

 道は、2021年度の野生鳥獣による道内の農林水産業被害をまとめた。これによると、昨年度の被害額は前年度比8%増の54億5000万円で、この8割以上を占める44億8000万円はエゾシカによるもの。シカによる被害だけで12億円以上と道内で圧倒的に多い釧路管内の被害額が突出していることも改めて分かった。

 道の集計によると、野生鳥獣による被害は21年度、前年度より4億1400万円増の54億5000万円となり、2015年度以降続いていた下げ止まり傾向が再び増加傾向に転じる結果となった。

 鳥獣別ではエゾシカが80%以上を占める44億8000万円(前年度40億7000万円)で、カラス類が2億7000万円(同2億7000万円)、ヒグマ2億6000万円(同2億5000万円)、キツネ1億7000万円(同1億4000万円)、アライグマ1億5000万円(同1億4000万円)だった。

 振興局別では、釧路が前年度を1億2800万円上回る13億7400万円と、12年度以降でも全道最多。上川(6億7100万円)、オホーツク(6億4800万円)、十勝(6億2100万円)と続き、根室は4億8700万円で前年度より1億1500円増加した。

 全被害額のうち鳥類による被害が3億3700万円(釧路管内7100万円、根室管内6200万円)。獣類によるものが51億1400万円(同13億300万円、同4億2600万円)。産業別では農業54億900万円と99%を占め、林業被害は4000万円、水産業は100万円。

 エゾシカによる全道被害は各種対策の成果で、11年度の64億円をピークに年々減少していたが、昨年度は前年度を4億円以上上回る44億8000万円に上り、今後が懸念される結果に。

 このうち釧路管内が12億7800万円(前年度比1億1400万円増)、根室管内も1億900万円増の4億1700万円。釧路市や根室市のほか厚岸、浜中、標茶、弟子屈、鶴居、白糠の6町村では、被害額が1億円を超えるという深刻な状況だ。

 道自然環境局では「作物別の被害額では牧草が18億7000万円で全体の4割を占める」とし、水稲やビート、バレイショ、デントコーンを含め「多くの品目で被害額が増加している」と指摘。引き続き被害防止対策に取り組むとしている。

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