秋サケ水揚げ 前年比2・5倍 苫小牧漁協
苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)の秋サケ定置網漁が回復している。8日現在の総漁獲量は329トンで、統計史上最低の不漁だった昨年の年間漁獲量(149トン)の倍以上。漁は終盤に入ったものの、1日5トン前後の水揚げが続いており、12月3日の漁期ぎりぎりまで操業できそう。同漁協は「来年以降の本格的な回復につながれば」と期待している。
同漁協がまとめた速報値で、初水揚げした9月2日以降の累計。8日現在、漁獲量は前年同期比で約2・5倍、196トンの増。漁獲高は同約2・3倍の2億8842万円。1キロ当たりの平均卸売価格は875円で同82円安。昨年は品薄で平均単価が急騰した。今年は漁獲量が回復しつつも、生鮮、加工のいずれも品薄感が解消し切れず、例年以上の高値が続いている。
同漁協は苫小牧沿岸の定置網5カ統で漁を展開している。9月上旬は前年並みに振るわなかったが、中旬から回復傾向となっている。例年であれば11月は漁も終盤だが、今年は出漁するたびに1日数トンを水揚げ。3日間入れた網を引き上げた7日は10トン超の漁獲となり、同漁協は「雌も卵がまだ抜けず、身がしっかりしている。今年は漁期ぎりぎりまで、漁が続きそう」と展望する。
漁獲高も2年ぶりに3億円を超えるのは確実で、同漁協は「昨年はひどすぎて正直比較にならないが、『ここ数年の平年並み』には戻りそう」と一安心。一方、8日の水揚げはサケ3トン弱に対し、サバが10トン弱も網に入るなど、海水温の高さを示すような漁模様となっており、「今年はなぎの日も多い。しけが何回か来て、海水も混ざれば、海水温が下がり、サケももっと帰ってくるはず」と願っている。
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