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函館新聞

函館市長選まで半年 工藤、大泉両陣営、支持固め進む【函館】

 任期満了に伴う来年4月の函館市長選挙が同16日告示、同23日投開票の見通しとなり、半年後に迫っている。現時点で出馬表明しているのは現職の工藤寿樹氏(72)と新人で前函館市保健福祉部長の大泉潤氏(56)。今後、さらなる候補者が名乗りを上げる可能性はあるが具体的な動きはまだ出ていない。2011年以来となる市役所出身者同士の選挙戦に向けての双方の動きをまとめた。

 工藤氏は、今年4月ごろから、市議会や定例会見の場で次期市長選への対応を繰り返し問われたが明言を避け続けた。しかし、7月に大泉氏が市職員を退職し出馬の意向を明確にしたことを受け、関係者の動きが一気に加速。大泉氏が会見準備をしているとの情報を受け、9月に出馬表明に踏み切った。前回19年の出馬表明が投開票3カ月前だったことを考えると、危機感からか先手を打った形だ。

 工藤氏には、これまでの実績を踏まえて経済界から推す声が多く上がっていて、企業や団体への支援拡大を狙う。出馬表明後は各種市民団体との懇談や、催しなどに足を運ぶ機会も増え、今月27日には後援会(室田晴康会長)主催の市民報告会を予定するなど、精力的な活動が目立つ。市民の強い支持を受けて進める大間原発(青森県大間町)の建設差し止めを求める訴訟では2日に3年ぶりとなる市民説明会を開き、「大間原発の建設凍結は函館市民の総意。市長という立場で、今後も責任を持って訴訟に取り組んでいきたい」と市政継続への強い意欲を示した。

 大泉氏は正式表明こそ工藤氏から遅れたものの、市職員退職後、水面下で準備を進めていた。12日の会見では「負の連鎖に終止符を打つ。市民置き去りの市政運営を改革する」と気勢を上げた。ただ、政策方針は、教育・文化、医療・福祉の充実や市街地活性化や観光振興による経済回復など、工藤市政との差異が見えず、現状では選挙の争点が浮かび上がってこない。

 特定の支持母体をもたない大泉氏は、市民一人ひとりに支持を訴える草の根運動を活動の軸に掲げる。すでに町会単位で講演の要望が寄せられていて、準備が整い次第、実施する。また街頭演説も前向きに検討しているという。

 大泉氏の後援会会長には道教育大名誉教授の佐々木馨氏が就任。幹事で北海道視覚障害者福祉連合会会長を務める島信一朗氏とともに人脈を生かし、文化、芸術、教育、福祉と関係者へ支持を訴える。もう一人の幹事、五島軒社長の若山豪氏は、若い経営者を中心に経済界へ支援を広げていきたい考え。

 両氏ともに自民党、立憲民主党、公明党の3党に推薦を要請している。工藤氏は自民党道連には文書も送付。各党からの推薦を得て政策協定を結びたい考えがあるという。過去3回の選挙では15年に自民、公明の推薦、当時の民主党の「支援」を受けた。一方の大泉氏は今月13日に自ら各党支部を訪れ、推薦要請の文書を手渡した。市の部長職を歴任するも政治家としての実績がない大泉氏への評価をどのように判断するのか、各党の対応が注目される。

 ◆プロフィル◆

 工藤寿樹(くどう・としき) 1949年乙部町出身。早大卒業後、73年に旧亀田市に採用され、函館市との合併後は財務部長、企画部長、助役・副市長を歴任。2011年の市長選で初当選、現在3選目。

 大泉潤(おおいずみ・じゅん) 1966年江別市出身。早大卒業後、95年に函館市役所入り。総務部秘書課長、保健福祉部次長、観光部長、保健福祉部長を務め、22年7月31日で市職員を退職。

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