北糖本別 最後の製糖 操業1カ月短く ビート収量減【本別】
今期限りの生産終了が決まっている北海道糖業本別製糖所(本別町勇足)で、最後の製糖作業が行われている。原料のビートを受け入れて12日から加工を始めた。収量が平年を下回る予測から、工場は来年1月中旬までの稼働を計画。来期からは生産は社内外の別工場に委託するが、拠点機能は残して原料の買い付けは続ける。
同工場は管内8町からビートを集荷し、グラニュー糖を製造している。今年産の作付面積は約5000ヘクタール(526戸)で、湿害や病害虫の影響で収量や糖度も平年を下回るとみている。操業期間は収量に左右されるため例年より1カ月以上短くなる見通し。同工場の土肥拓副所長は「今年で製糖は終わりだが、いつも通り安全な操業に努めたい」と語る。
同工場は1962年、旧大日本製糖が建設し、68年から北糖本別製糖所になった。陸別町から広尾町まで管内東・南部のビートを受け入れて発展してきたが、近年は砂糖需要の減少や生産設備の老朽化などに直面し、拠点見直しの中で本別の生産終了が決まった。
来期以降も原料の買い付けなどは続けるが、製造は北見製糖所(北見市)やグループ企業の日本甜菜製糖芽室製糖所(芽室町)に委託する。ビートは両工場に直接運び込むか、本別製糖所の敷地内に一時的に保管して転送。製造された砂糖は北糖ブランドで販売する。
畑作の輪作体系の中で生産されてきたビートだが、重労働やコストなどの面で作付けは減少傾向。本別町内の50代の農家は「多くの農家にとってビートは中心的な作物。工場が遠くなるので、どうさばいて運ぶのだろうか」と語り、70代農家からは「地元に工場があるから作ってきた人は多いのでは」との声も聞かれる。
土肥副所長は「原料はこれまで通りに受け入れ、合理的な輸送を考えながら他工場に割り振っていく。生産者が心配されることがないよう対応や準備をしていきたい」と話している。
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