潜水士が救出した要救助者を地上へ引き上げる消防、海保の職員

　釧路海上保安部（三柳裕二部長）は１１日、釧路市消防本部、釧路東部消防組合との合同潜水訓練を、釧路港東区入舟岸壁に着岸している巡視船「えりも」付近の海域で行い、水難救助での連携強化を図った。昨年は悪天候で日程が変わり、同海保と市消防本部のみが参加しため、３機関での訓練は２年ぶり。

　この日は同船から９人、同本部から４人、同組合から６人の潜水士が参加し、混合チーム２班に分かれて実施した。最初に岸壁から海面に飛び込んで素潜りし、耳抜きができるかと体調を確認。その後、乗用車の海中転落などを想定し、複数の潜水士がロープで１列となり、円を描くように要救助者を探す環状捜索や、岸壁沿いを一直線に進む平行捜索を行い、要救助者役の潜水士や人形を発見、救出した。

　市中央署第３課東分署救助担当の野澤堅太さん（２９）は「海保さんは自分たちより知識と技術があるので、準備段階から情報共有できてよかった。それぞれの方法をすり合わせできたので、自信を持って現場に生かしたい」。えりも潜水班長の神谷高仁さん（４０）は「海がかなりしけていたので、より実態に沿った訓練ができた。同じ人命救助という目的を持つ者として、横のつながりを大切にしていきたい」と話していた。