認知症に寄り添うまちを 苫小牧でシンポ 鳥取県の若年当事者が参加
鳥取県在住の若年性認知症当事者藤田和子さん(61)と認知症地域支援推進員の金谷佳寿子さん(49)による認知症シンポジウムが7日、苫小牧市内のホテルで開かれた。藤田さんは「認知症になっても自分の力を生かし、社会の中で当たり前の生活を続けたいという願いは変わらない」と強調。「何もできないと決め付けず、一人の人として見てほしい」と訴えた。
医療法人社団玄洋会、社会福祉法人ふれんど、ウエルの共催。介護や福祉の現場で働く人、市民ら約100人が参加した。
藤田さんは鳥取市で看護師として働いていた45歳の時、若年性アルツハイマーと診断された。認知症になっても希望と尊厳を持って暮らし続けられる社会をつくるため、若年性認知症の人の会や日本認知症ワーキンググループ(JDWG)を設立。国や鳥取市から「希望大使」に任命され、病気と共に自分らしく生きる姿を全国に発信している。
シンポジウムで藤田さんは、当事者は「何もできない」「価値がなくなる」といった社会全体に残る”古い認知症観”にさらされている実態について説明。「病気で発語できなくなっても、考えたり感じたりする力は持っている。自分を認めてほしいという当たり前の感情に目を向けてほしい」と呼び掛けた。
藤田さんと一緒に活動する金谷さんは、介護や福祉の専門職が本人の意思よりも教科書に書かれていることや自分の価値観を優先してしまいがちな現状を指摘。「本人に一言、『あなたはどう思いますか』と聞いてもらいたい」と述べた。
藤田さんは最後に、JDWGが当事者の体験、思いを踏まえて作った「認知症とともに生きる希望宣言」を紹介。「認知症になったらおしまい」ではなく、より良く生きていける可能性に目を向け、誰もが暮らしやすい社会をつくっていく姿勢を5項目にまとめたもので、藤田さんは「宣言に込めた希望のリレーを広げたい」と力を込めた。
関連記事
ワールドチーズアワード2024 シルバー賞受賞 プロセスグループ夢民舎 安平
安平町のプロセスグループ夢民舎(宮本正典社長)は、15~18日にポルトガルで開かれたチーズの世界大会ワールドチーズアワード2024に「スモークカマンベールチーズはやきた」(120グラム、950円)...
最優秀賞に滝沢さんの「タラとホッキのさくら丼」 マルトマ苫卸売の料理コンテ..
苫小牧市公設地方卸売市場・水産物部(汐見町)の指定管理者、マルトマ苫小牧卸売(西田浩一社長)が8月に募集した第3回苫小牧産お魚料理コンテストは、有珠の沢町の主婦滝沢京子さん(81)の「タラとホッキ...
集まれ「藤丸サポーター」 応援制度で整備資金の協賛募る【帯広】
「藤丸」再建の資金調達などを担う地方創生ベンチャー・そら(帯広市、米田健史社長)は、新たに「藤丸サポーター制度」を立ち上げる。来夏にも期限付きで開設する「藤丸パーク」をはじめ、新藤丸の整備まで...
サウナ飯投票 30日まで募集 42店参加「グランプリ」【帯広】
帯広観光コンベンション協会(梶原雅仁会長)と十勝サウナ協議会(後藤陽介会長)は30日まで、サウナ後に食べる「サウナ飯」を競う「S(サウナ飯)-1グランプリ」を開催している。JR帯広駅から半径約...
メランジェラボ、TOPPAN社員と「ナガイモスイーツ」開発【芽室】
十勝管内に滞在し、地方で働く人材増加に向けた実証事業を行っている総合印刷会社「TOPPAN」(東京)の社員4人は、芽室町内の菓子店「Melanger Labo.(メランジェラボ)」(東1ノ2、小...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
2焼き魚をテークアウトで 移動販売「えぞ吉」が専門店開業【帯広】
3ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】
4クラフトビール醸造開始 苫小牧産いよいよデビュ
5桜庭さん勝負の1年 ボウリング 12月マレーシアで大会 来年のデフリンピック代表目指す【函館】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
3釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
4旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】
5ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】