函館どつくがフェリー建造再開、20年ぶり新規受注【函館】
造船業の函館どつく(弁天町、関川義紀社長)は、青函フェリー(海岸町)からフェリー2隻を受注し、約8年ぶりにフェリー建造を再開した。函館造船所での建造は約20年ぶりで今後はフェリーの新規受注の営業にも力を入れていく。
同社では近年、海外輸出用の貨物船を主力に船舶の建造を行ってきた。2019年~20年にかけ、新型コロナウイルス感染拡大で物流に制限がかかり、海外との往来が難しくなったことに加え、23年から外航船のCO2排出規制が始まることで、新造船マーケットは一時的に冷え込みを見せた。
こうした中、21年9月、青函フェリーで20年以上運航する3号はやぶさ(2000年就航)、あさかぜ5号(1998年就航)の2000トン級のフェリー2隻を作り替える注文を受けた。
新たに建造するフェリー2隻は、全長約115メートル、全幅約19メートルで約3000トン。大型化により、乗客の収容人数は現行の3倍の約300人となる。1隻目は8月下旬に起工、11月上旬に進水し、来年3月に完成予定。2隻目は24年春に完成の予定だ。
函館どつくは函館造船所でのフェリー建造再開を機にコロナ収束後の需要増を見込み、新規受注獲得に注力する構え。
服部誠所長は「作るものが変わると仕事のサイクルも変わる。船舶の大型化にも経験値が必要で、変化に対応していくことが求められる」とし「今後は北日本、東北とエリアを広げて受注を獲得できるよう営業を強化していきたい」としている。
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