ヘリでの救助手順確認 樽前山で合同訓練実施 苫小牧
苫小牧市消防本部と道防災航空隊による合同訓練が29日、樽前山(1041メートル)の山頂などで行われた。登山者の滑落事故を想定し、防災ヘリまでワイヤで負傷者を引き上げたり、隊員が担いで下山させたりする手順を確認。緊急時の連携体制の強化を図った。
救助技術向上などを目的に、2009年から実施している合同訓練。今年は29人が参加した。
ヘリは同山山頂に近づくと、機体を上空20メートル付近でホバリング(空中停止)させ、ワイヤを使って救助隊員を降下。2人の負傷者役のうち、1人を担架に固定し、もう一方は隊員が担いでヘリに収容した。
9合目付近で斜面に落ちた負傷者の救出訓練では、大きな岩に縛り付けた滑車を使用。複数の隊員が、担架に乗せた負傷者や隊員計3人をロープで一気に引き上げた。下山の際は、ハーネスやロープを利用。負傷者を担ぐ人と、後ろで支える人の2人一組で搬送する訓練も繰り広げた。
市消防本部によると、市内では昨年度、ヘリでの緊急出動(ドクターヘリを含む)が少なくとも14件発生。同本部警防課の山崎仁彰主査は「各地で自然災害が多発する中、ヘリを使った訓練は貴重。航空隊との連携強化へ、今後も継続したい」と力を込めた。
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