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日高報知新聞

全国の大学生らが地域を学ぶ【平取】

【平取】全国の大学から集まった大学生・大学院生が大学のキャンパスを飛び出し、地域について学び合う「大地連携ワークショップ夏inびらとり」が22日から二風谷地区で始まった。全国から選ばれた23人が、26日まで5日間の日程で、アイヌ文化を体験。アイヌ文化や地域が抱える課題について考えやアイデアを地域と共有し、地域文化の振興を目指す。26日の発表会では、学生の目線で平取町やアイヌ文化の振興について提案する。

 同ワークショップは、今年で10年目(夏・冬年2回)の開催。2012年(平成24年)に、東日本圏の大学間連携共同教育推進事業(文科省補助事業)の関係機関として平取町が参加。以降、補助事業として2年間実施し、実施されない年度は町単独事業としてワークショップを開催している。

 19年(令和元年)5月のアイヌ施策推進法施行によりアイヌ政策交付金制度が創設され、令和2年度に新たな大地連携ワークショップとして全国から募集。びらとり大地連携協議会を設立し、初代会長に小田隆治さん(山形大名誉教授)、その他4人の大学教授などに委員を委嘱した。

 21年2月のワークショップは一部オンラインで開催。同8月は新型コロナウイルスのデルタ株の急激な感染拡大のため中止。22年2月は全員がオンラインで実施され、今回は1年半ぶりに現地開催となった。

 今回は53人の応募があり、人数制限のため北海道大、東北大、慶応義塾大、立命館アジア太平洋大、沖縄県立芸術大などから23人を選出。

 山形大、立命館アジア太平洋大、沖縄県立芸術大の教職員が二風谷で学生たちをサポートし、23日は、二風谷アイヌ文化博物館見学、アイヌ語学習、木彫り体験、アイヌ古式舞踊体験。24日は、イオルアイヌ文化ガイドツアー、ユカラと語りべ見学、アットゥシ織体験。25日は、アイヌ伝統料理体験、刺繍体験などが計画されている。

 東北大2年の牧島理沙さんは「アイヌ文化を知らない。文献で少し知っている程度。実際に平取町に来て地域文化に触れ、実体験を通して知りたいと思う」、弘前大1年の八木澤佳穂さんは「歴史的なことを調べるのが好き。将来は文化を広める仕事に就きたいと思っているので、今回の体験の中で広める立場に立っていろいろ考える材料にしたい」と話した。

 発表会は26日午前10時から沙流川歴史館で行われる。一般も現地とオンラインで参加できる。

二風谷コタン(シネチセ)で大地連携ワークショップのオリエンテーションをする参加者たち

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