花の定額制サービス開始 花瓶持ち込み交換 毎日でも 苫小牧の寒川生花店
定額料金を払って花瓶を店に持ち込めば、スタッフが選んだ花を飾ってくれる。望めば毎日でも可能―。そんなサービスを苫小牧市表町の寒川生花店(米田嘉慎社長)が今月から始めた。店名とサブスクリプション(定額制)サービスにちなみ、名付けて「SAMSUKU(サムスク)」。花のある潤いの生活を楽しむ習慣の定着と、消費の拡大につなげたいという。
生花店のサブスクは、定額料金で定期的に花を家庭や会社などに届けるスタイルが主流。だが、寒川生花店が導入したサービスは一風変わっている。
まずは専用の花瓶(高さ7センチ、最大幅8センチ)と花を店から受け取り、次回以降、萎れた花と花瓶を持参すれば、交換用の新しい花を花瓶に入れてくれるという仕組み。毎日来店し、サービスを受けることも可能だ。しかし、客自身が花の種類を選ぶことはできない。
料金は、30日間コースで2200円、90日間コースは3300円から1万3200円の4タイプがある。
自分用に花を買い求める男性も増えていることから、サービス対象を男性に限定にした「サムスク・ハナダンシ」のコースも設定。月額料金は初回1650円、その後は2200円。
提供する花は、茎が折れて短くなったり、傷が付いたりしたものなどを有効利用。イベントで数時間使用しただけの花も使うことで「安価に提供することができる」と米田社長は言い、「花を飾ると心が和む。季節に応じたお薦めの花を楽しんでもらいたい」とサービスをPRしている。問い合わせは同店 電話0144(37)8787。
生花小売業界をめぐっては、新型コロナウイルスの感染流行でイベントなどが中止、縮小された影響で、業務用を中心に需要が急激に冷え込んだ。このため、消費の回復に向けて工夫した対策を取り入れる動きが業界内に広がっている。北海道生花商協同組合事務局(札幌市)の担当者は「コロナ禍で花を使う冠婚葬祭も自粛され、生花店は厳しい経営環境にある。何とか消費につなげようと、サブスクを始める例もある」と話す。
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