初水揚げされたサンマが店頭に並んだ（午前９時ごろ、魚信）

　道東沖のサンマ棒受け網漁で１８日、農林水産大臣許可の小型船（１０㌧以上２０㌧未満）１隻が花咲港に帰港し、約２６０㌔のサンマを初水揚げした。花咲市場で行われた競りでは１㌔当たり５万４０００円（高値、税込み）と、前年初水揚げ時の約５・７倍の高値を付けた。

　水揚げしたのは、１０日に花咲港から出漁した歯舞漁協所属の「第５５錦隆丸」（１９㌧）。約１５００㌔離れた漁場で操業を行い、１８日午前６時半ころに帰港。少し小ぶりの６０～９０㌘台のサンマが入った発泡スチロール３６ケースを水揚げした。

　北見瑛二漁労長（３６）は「最初思っていたより取れなかったが、少ない中で揚げられて良かった。まだまだ始まったばかりなのでこれから」と述べた。日ロ関係の悪化から、漁場に向かう際のロシア主張排他的経済水域（ＥＥＺ）航行に不安の声が上がっていたが、「少し遠回りして航行したが臨検などはなかった」という。

　最高値で競り落とした永宝冷蔵の齋藤栄寿社長（３６）は「漁業者が遠くから丁寧に持ってきてくれたので、根室のサンマが始まったことを知らせたいと思った」などと話していた。

　市内緑町の鮮魚店「魚信」では「さんま船応援価格」として、１匹３００円（税込み）で販売。名古屋から観光で来たという男性は「おいしそうですね。１匹３００円ならとてもいいと思う」と話していた。