垣ノ島遺跡で式を挙げた吉川さん夫妻（中央）

　世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産・垣ノ島遺跡（函館市臼尻町）で２６日、結婚式が行われた。親類ら約３０人や一般客らが祝福する中、タキシードとウェディングドレスに身を包んだ地元カップルが〝世界遺産〟で永遠の愛を誓った。

　ホテル函館ひろめ荘（大船町）を運営する新道南温泉（西村晴美社長）が、世界遺産登録から１年を迎えるのに合わせて、地元への浸透や観光などへ積極的に活用し地域を盛り上げようと企画した。

　垣ノ島遺跡で式を挙げたのは、南かやべ漁協職員の吉川祐希さん（２７）とアルバイト従業員の有紗さん（２４）。１月に婚姻届を提出、晴れの日を迎えた。祭祀などが行われていたとされる盛り土遺構で、縄文服を着た親類らに見守られながら、２人は指輪の交換やブーケトスなどを行った。２人は「特別な思い出になった。風が強かったが皆さんの協力を得て良い日になった」と笑顔だった。

　西村社長は「世界遺産の中での結婚式が無事に終えられて良かった。今後も地域の遺跡を活用して結婚式などを実施して盛り上げていきたい」と話した。