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函館新聞

函館の観光客2年ぶり増加 21年度は346万2300人【函館】

新型コロナウイルスの感染状況に翻弄(ほんろう)された函館観光。今年度は回復基調が本格化している(5月3日)

 函館市は26日、2021年度の観光入り込み客数を発表した。前年度比11・6%増の346万2300人となり、2年ぶりに増加に転じたが、19年度との比較では約6割にとどまった。外国人宿泊者数は1100人(前年同期比50・4%減)で、2年連続で統計開始以来過去最低を更新した。

 上期の入り込みは200万400人(同8・7%増)。4月は32万3300人(同36・6%増)、5月は32万6400人(同47・5%増)と大型連休を中心に順調な伸びを見せたが、5月16日に緊急事態宣言が発令されると一気に鈍化。一番の観光シーズンの8月は38万9500人(同2・2%減)、9月は30万2400人(同18・3%減)の低水準だった。

 下期は146万1900人(同15・9%増)。11月以降は就学旅行生などを中心に入り込み数が増え、12月は27万6500人(71・2%増)、1月は18万3700人(109・7%増)と大幅な伸びを見せた。しかし、オミクロン株による感染拡大により、2月は9万4700人(同20・9%増)、3月は19万7000人(同24・1%増)と伸び率は鈍化した。

 道内と道外に分けて見ると、上期は道内60・8%、道外39・2%、下期は道内43・8%、道外56・2%と逆転したが、通年では道内53・6%、、道外46・4%で、統計開始以来初めて道内が道外を上回った。また宿泊が47・7%、日帰りが52・3%だった。

 交通機関別では、乗用車などは前年同期比8・5%増の226万5000人でトップ。鉄道は同11・4%増の57万9800人、航空機は同32・8%増の38万7900人と続き、船舶はクルーズ船の寄港が1回のみだったことなどから同11・8%増の22万9600人にとどまった。外国人宿泊客数は、最多は「その他」が424人、中国が284人、米国が244人、韓国73人、台湾48人と続く。

 市観光部は「コロナ禍前に比べればまだ回復しているとは言えない。今後、感染者数が減少してくれば、首都圏などへ向け積極的なPR活動を展開していきたい」としている。

■コロナ禍前にはまだ遠く

 コロナ禍2年目の2021年度の函館市の観光入り込み数は、20年度から11・6%増加したものの、コロナ禍前の19年度と比較すると64%にとどまり、まだまだ回復には遠い状況。特に外国人客の入り込みは1117人で、統計以来最低となった20年度の2252人から半減。コロナ禍以前は毎年約50万人の外国人が訪れていただけに、函館観光がいかにインバウンド需要に支えられていたかが如実に示されている。

 21年度は、宿泊料の半額を補助するはこだて割の影響で昨年4、5月の入り込み数が大幅増となる好スタートを切ったが、8月以降は20年度に行われた「GoToトラベル」需要の反動で前年からは減少に転じた。12月はクリスマスファンタジーなど冬のイベントの集客効果で再び伸びを見せ、1月に再開されたはこだて割によりさらなる入り込み数アップが期待された。

 ところが、首都圏を中心に感染拡大をみせていたオミクロン株が、1月後半から函館でも猛威を振るい、はこだて割の対象は市民限定に縮小せざるを得ない状態となり、観光業者は再び厳しい状況に追い込まれた。3月後半にまん延防止等重点措置が解除され、はこだて割やどうみん割が通常使用できるようになると徐々に回復し、行動制限のなかった今年の大型連休期間には観光名所に活気が戻った。

 函館ホテル旅館協同組合の遠藤浩司理事長(函館元町ホテル社長)は「『はこだて割』『どうみん割』といった旅行費助成事業の効果や、ワクチン接種も進んで状況が変わったことで、20年度に比べ観光客は戻ってきた印象」とする一方、「コロナ前に比べるとまだまだ。引き続きウィズコロナでどのように経済を動かしていくかを考える必要があり、業界としてはGoToトラベルの再開を望みたい」と話している。

 7月には3年ぶり開催の函館マラソンに全国から約7000人が参加を予定。8月には港まつりの復活も見込まれる。また、昨年世界文化遺産に登録された縄文遺産群にも多くの来場客が期待される。市観光部は「万全の感染対策を整えながら観光客を迎え入れるコンテンツの受け入れ準備を進めていきたい」としている。

観光入り込み推移グラフ

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