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函館新聞

小麦、食用油、容器類…物価高 事業者悲鳴

物価高でもおいしいたこ焼きを届けたいと奮闘する對馬さん(たこ焼き菜々)

 国内物価の高騰が、函館・道南の事業者や食卓を直撃している。輸入小麦をはじめとする食料品全般の値上げはとどまるところを知らず、店頭価格へ転嫁すると客離れを引き起こす恐れがあり、簡単には踏み切れない。事業者は、工夫を凝らしながらぎりぎりの状況で商品を提供し続けている。

 函館市白鳥町のパン店「ル・レーブ」(高田一也店主)は、今金町産小麦「はるよこい」をメインに、国産、海外産を合わせ5種類の小麦を使用。仕入れは高田店主(58)が担当しているが、国際情勢を背景とした影響は今後出てくるといい「小麦価格の高騰は国産、海外産問わず影響を受ける。業者からは今後価格が上がるという情報をもらっているものの、どの程度値上がりするかは不明。特に産地に特化したものは手に入りづらく、価格への影響は大きそうだ」と不安げに話す。「高騰したからといって、仕入れ値を反映した価格に改定すると客離れが心配。定番商品はそのままで、商品展開を改めるなど工夫しなければ」と渋い表情を浮かべる。

 物価高の波は小麦だけにとどまらない。函館市鍛治2で、ザンギ(空揚げ)の弁当やハンバーガーなどを提供するテークアウト専門店「キングオブチキン」の太田久美子店長(41)は「調理で使う食用油のほか、野菜や弁当容器、レジ袋などあらゆるものが上がっている」と嘆く。同店は家族や会社単位で5~6人分の注文が多く、物価高を受け、レジ袋の大量消費を防ぐため、袋に収まりやすい弁当容器に切り替えたほか、付け合わせに使うレタスや小松菜などの野菜は、市内・近郊の直売所で仕入れるなど知恵を絞る。太田さんは「食用油も長持ちするよう心掛けている。商品を値上げしたり、量を減らしたりするのは避けたい。原材料では、しょうゆなど大豆製品にも影響が出ており、いつまで続くのか不安」としている。

 関西風たこ焼きが人気で、函館市内に2店舗を展開する「たこ焼き菜々」(湯川町1、對馬裕佳子代表)も、昨年来の相次ぐ値上げに頭を悩ませている。對馬さん(39)は「食用油、容器、ソース、小麦、タコ、マヨネーズ…。挙げたらきりがない」とため息をつく。1月には、定番たこ焼きの価格について10個400円を480円に値上げした。同店は客離れを防ぐため、購入する個数が増えるほど価格が安くなる仕組みを導入し、100個で4500円、100個以上は10個440円換算になる。

 對馬さんは「値上げに踏み切った際は一瞬お客が減り、このままお客が来なくなるのではと不安だった。食材価格が下がることはないと思うので、客数をいかに増やすかアイデアを考えていきたい」と話している。

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