全十勝中体連 サッカー 芽室・芽室西 初V【音更】
最終日は準決勝と決勝を行った。決勝は芽室・芽室西が延長戦の末に、帯翔陽を4-2で破り初優勝を果たした。芽室・芽室西は1点を追う後半21分ごろに浅野柊太(芽室3年)が同点ゴール。延長戦に持ち込み、前半4分ごろに松井颯哉(同同)がこの日2得点目となる決勝弾。さらに途中出場の出羽龍希(同2年)が貴重な追加点を挙げて、粘り強く戦う帯翔陽を突き放した。3位は帯南町と下音更。大会は26チームがエントリーし、3日間の日程でトーナメントで戦った。
「皆が勝つ気持ち」 松井2得点
芽室・芽室西は、昨秋の全十勝中体連3位の悔しさを吹き飛ばした。山上恵弥主将(芽室3年)は「うれしい。皆が最後まで勝つ気持ちを持ってプレーできた」と喜んだ。
準決勝が終わって2時間もたたない中での決勝戦は、両チームとも足をつる選手を出しながらも奮闘。1点を争う接戦となった。
芽室・芽室西はボール保持率が高く、技術に優れたトップ下の阿部和寿希(同同)や両サイドハーフのスピードに乗った攻撃など好機はつくり出すものの、展開は楽ではなかった。
開始早々のコーナーキックでファーサイドの浅野柊太が折り返し、松井颯哉が相手GKと競り合いながらも押し込み先制。帯翔陽の八十嶋久聖主将(3年)に2ゴールを許したが、勝利への執着は薄れなかった。
「リードされると受け身になりやすいが、みんなで積極的に動いた。自分たちのペースでできた」(山上主将)。後半21分ごろに浅野の得点で追い付くと、延長前半4分すぎのコーナーキックで松井が再び頭で合わせて決勝点。さらに同後半4分ごろに、出羽龍希が左足を振り抜いてシュート。ダメを押した。2得点の松井は「これまでセットプレーで決められなかった。やってやったぞと思った」と胸を張った。GKの倉内楓也副主将(芽室3年)も「決勝は明るく前向きな声掛けができ、全員で守る良い雰囲気で戦えた」と笑顔を見せた。
初戦の2回戦をPK戦で勝利し、準決勝は昨秋覇者の帯南町に3-2と逆転勝ち。苦しい試合を乗り越えた。フォーメーションを4-3-3から、今春に3-4-1-2に変えるなど試行錯誤。コロナ禍で練習試合を組めず、実戦不足は否めなかった。
中村達也監督(芽室)は「本当に十勝で通用するのかと感じていたのでは。自信になったと思う」と目を細めた。
昨秋から「十勝でナンバーワンになる」を合言葉に練習に励んできた。春は頂点に立ったが、あくまで照準は夏季大会。山上主将は「全道で通用するチームを目指す。試合中のコミュニケーションや走力を磨く」と力を込めた。
頂点へあと一歩 全道優勝目指す 帯翔陽
「準決勝はしっかりと組み立てながらプレーできたが、決勝は攻守ともぐだぐだになってしまい悔しい」。準優勝の帯翔陽の八十嶋久聖主将(3年)は苦笑いを浮かべた。
準決勝の下音更戦は自陣からパスを回して組み立て、FWの相手DFの裏への抜け出しなどが光った。佐藤司監督は「ボールに食らいつき、速い攻撃もできた。かなり集中していた。この試合で頭も体力も使い果たした感じ」と一定の評価を与えた。
この日の2試合で力は出し尽くした。決勝は疲れている中でも、相手のプレーを見ながら判断し、修正を図る姿勢は見えた。残り10分を切るまでは1点をリードし、頂点まであと一歩に迫った。八十嶋主将は「体力も技術も向上させて、夏の全道優勝を目指す」と意気込んだ。
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