紫竹のお花見守って 昭葉さん亡きガーデン開園【帯広】
紫竹ガーデン(帯広市美栄町)が今季の開園を迎えた。昨年5月4日、同園の創業者、紫竹昭葉(しちく・あきよ、本名・昭代)さんが亡くなってから初めての開園。紫竹さんの思い出があふれるガーデンにはチオノドグサなど球根類の花が芽吹き始めている。
同園は夫の死を機に紫竹さんが1992年にオープンさせ、今年で30周年を迎える。
紫竹さんの長女で同園の取締役専務を務める隈本和葉さん(73)は「お客さんがおばあちゃんのことを花の妖精のようだ、とよく言っていた。最近、もしかしたら本当にそうだったかも、と思う」と紫竹さんの存在の大きさを時折涙ぐみながら語った。
昨年は紫竹さんが亡くなってからの6、7月にガーデンの花々が最盛期を迎えた。しかしそんな景色も和葉さんには「くすんで見えた」。紫竹さんのように花に愛情を注ぐことはできないと感じ、生前、紫竹さんが「私がいなくなったら庭を引き渡してもいい」と言っていたことが頭をよぎった。
悲しみに暮れる中、和葉さんが改めて庭を歩くと、紫竹さんがお客さんと一緒になって花を楽しむ姿が思い出された。庭を通してたくさんの人との出会いがあった。そんな場所を「ここで終わらせてはいけない」と同園を続けていくことを決意。「主人(隈本毅社長)と従業員、みんなが無理することなく進めていこう」と再出発し、16日に今季オープンした。
和葉さんは紫竹さんについて「すごく愉快な人。花と人が好きで、人を楽しませたいという気持ちが旺盛だった」と振り返る。「おばあちゃんのようにはできないけど、お客さんを巻き込んで楽しめる場所にしたい」と新たな取り組みにも意欲を見せた。
一周忌の4日 献花台を設置
GW期間の29日~5月9日は来場者にユリの球根を配る。紫竹さんの一周忌の4日は外周36センチの巨大球根をプレゼントする予定で、献花台も設ける(9日まで)。午前8時~午後5時。期間中無休。
紫竹さんは生前、園内を歩いて土が見える場所を見つけては種をまいていた。「とんでもないところから花が咲いていたらおばあちゃんの仕業かも」と笑う和葉さん。ガーデンには今年も「紫竹おばあちゃん」が愛した草花が美しく咲いている。
昭葉さんのトレードマーク カラフル帽子貸し出し
紫竹おばあちゃんのような帽子をかぶってガーデン散策を-。紫竹ガーデンでは、創業者で前社長の紫竹昭葉さんのトレードマークだったカラフルな帽子を来場者に貸し出している。
紫竹さんの帽子は、学生時代からアートフラワーを学んできた、紫竹さんの長女で同社専務の隈本和葉さん(73)が手作りしてきた。紫竹さんについて「人生を楽しむのに貪欲だった。私たちも見習いたい」と語る和葉さん。何か面白い企画を-と帽子の貸し出しを思いついた。
帽子は2カ月ほど前から和葉さんが約100個を手作りした。赤や白、黄色、青など色とりどりで、たくさんの花の飾りがあしらわれている。光触媒加工で抗菌効果もある。
和葉さんは「帽子で庭を華やかにしてもらいたい。庭に紫竹(昭葉さん)がいっぱいになれば」と楽しみにしている。
関連記事
国土交通省の「地域づくり表彰」 大臣賞受賞 困りごと解決サービス「ミーツ」 ..
創意工夫ある地域づくり活動の優れた事例に贈られる国土交通省の2024年度「地域づくり表彰」で、厚真町の共助型困りごと解決サービス「ミーツ」(成田智哉代表)が最優秀賞に当たる国土交通大臣賞を受賞した...
鹿児島県の特産品ずらり 苫小牧グランドホテル 「うまいもの市」
苫小牧市表町のグランドホテルニュー王子で29日まで、物産展「鹿児島うまいもの市」が開かれている。鹿児島県の特産品38品目をはじめ、九州地方のご当地グルメなどを用意し、市民らが買い物に訪れている。 ...
バルーンクッキーいかが 商工会女性部が開発、販売【上士幌】
上士幌町商工会女性部(森岡庸子部長、部員30人)は町の新しい特産品を目指し、上士幌産の原材料などを使った「かみしほろバルーンクッキー」を開発した。女性部は「女性の力で町を元気にしたいという思いで...
パワハラ防止に漫画で理解を 市、職員向け教材を作成【帯広】
帯広市は、市職員向けに漫画のパワーハラスメント(パワハラ)防止教材を作成し、全職員にデータで配布した。研修教材として漫画を用いたのは初めて。気軽に読んでもらうことでパワハラに関する理解を促進し、...
シーベリーやジャガイモの香り 入浴剤に【士幌】
士幌町内のしほろ旅館(西潟孝安代表)は、士幌に関連した四季折々の香りを楽しめる4種類の入浴剤を開発した。お土産として宿泊客らに手に取ってもらおうと3月から商品開発に着手し、10月に完成した。西潟...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
2焼き魚をテークアウトで 移動販売「えぞ吉」が専門店開業【帯広】
3ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】
4クラフトビール醸造開始 苫小牧産いよいよデビュ
5隙間バイトで全国初の公務員副業 町と「タイミー」連携【清水】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
3釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
4旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】
5ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】