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十勝毎日新聞

SDGs学ぶゲーム完成 町が舞台 若手チーム製作【上士幌】

 上士幌町内の若手メンバーによる「町SDGs推進プロジェクトチーム(PT)」の最後の会合が3月29日、町生涯学習センターわっかで開かれた。1年間かけて製作してきた、同町を舞台にしたボードゲームがお披露目され、これまでの活動報告が行われた。PTリーダーで町企画財政課の井渓雅晴主幹は「SDGsの環境の素地を作ることができた」と語った。

1年間の活動でSDGsボードゲームの完成を祝うメンバーら

 SDGsは、2015年の国連サミットで定めた、持続可能なより良い社会を目指す国際的目標。町はSDGsの取り組みが評価され、国による「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」に選定されている。

 チームは町職員や農業関係者、高校生ら約20人の若者で構成。月1回の会合を開き、ボードゲームの製作や、施設を巡るツアーの商品化などについて話し合ってきた。ボードゲームは複数人用で約50升あるすごろく形式。

 升を進むごとに町の社会問題を解決していく遊び。さいころを振って出た目の数で駒を進め、環境や社会などについてのミッションが書かれたカードを引き、どのミッションを実行するかを参加者で話し合って決める。

上士幌町を舞台にしたSDGsに関するボードゲーム

 カードには「上士幌には産婦人科はなく安心して妊娠、出産、育児ができる環境が必要」などの課題と、「助産院の開業で、出産前の妊婦から出産後の母子を心身両面からサポートできるようになった」という解決策が示され、取り組みや事例を取り入れて楽しめるゲームに仕上がっている。

 総括では若手メンバーから「いろいろな分野からSDGsを学べてよかった」「培った知識を仕事に生かしたい」などの声が挙がった。コーディネーターの高橋優介さん(札幌)は「社会のことを考えて行動するときはワクワク感を大事にして」と述べた。

 同じくコーディネーターの村上彩子さん(同)は「SDGsに関して上士幌町から発信したことが、世界のどこかの町が参考にするかもしれない」、井渓リーダーは「感じたことを周りに伝えてもらえるとありがたい」と話した。

 完成したボードゲームは出前授業などで活用される。また、町は脱炭素の推進に特化した「ゼロカーボンプロジェクトチーム」を新たに設置し、SDGsのさらなる取り組みを推進する予定。

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