特定健診の受診券とオプションクーポンを手に受診を呼び掛ける市職員

　函館市は、国民健康保険に加入している４０～７４歳の市民を対象に特定健康診査（特定健診）の受診を呼び掛けている。今年度は約４万４０００人に無料受診券を送付しているが、昨年１２月末現在の受診者は約８０００人にとどまっている。市国保年金課では「新型コロナウイルス感染症が重症化しやすいといわれる、糖尿病や高血圧症など生活習慣病の早期発見のためにも、年に一度の特定検診を忘れずに受けてほしい」としている。

　特定健診は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病予防を目的に実施。血液検査や尿検査、血圧測定などを行う。市医師会健診検査センター（田家町５）で集団検診を行っているほか、市内１０６の指定医療機関でも受けられる。

　市は毎年５月に、その年度の６月１日～翌年３月３１日まで利用できる無料受診券を対象者に送付。さらに４０、４５、５０、５５歳を迎える人には胃がんリスク検査、心機能検査、糖尿病性腎症検査の３種類（計６７５０円相当）が無料で受診できるオプションクーポンも同封する。

　市の特定健診の受診率は２０１９年度が２９・６％と全国平均の３８・０％を大きく下回る。特に４０～４４歳と４５～４９歳がそれぞれ１８・５％と受診率の低さが目立つ。市国保年金課は「通常なら１万円の自己負担となる検査。健診検査センターなら予約なしで当日受診も可能なので、ぜひ忘れずに受けてほしい」と呼びかける。

　昨年度は２月末に道が発令した緊急事態宣言の影響で、最も受診者数が多い３月の実績が伸び悩んだ。同課は「万全の感染防止対策をとっているので、安心して受診してほしい」と話している。