ガスバリカレンダー、全国展で銀賞 道南の食発信【函館】
函館の料理人集団「クラブ・ガストロノミー・バリアドス」(通称ガスバリ、深谷宏治代表)が作った2022年版カレンダーが、第73回全国カレンダー展(日本印刷産業連合会、産経新聞社主催)の第3部門で日本商工会議所会頭賞(銀賞)を受賞した。ほとんど大手の印刷会社が出品している中、プロの料理人たちの作品が初めてのコンクール出品で見事入賞を果たした。
全国カレンダー展は1950年に始まり、今回は応募点数447点(前回443点)、入賞点数64点(同63点)となった。カレンダーの印刷技術や企画、デザイン力、機能性や実用性に優れた作品を評価する。入賞作品は、欧州最大のカレンダー展「グレゴール・インターナショナル・カレンダーアワード」に出品し、ドイツ・シュツットガルトの展示会で展示される。
ガスバリの作品は「ガストロノミーカレンダーはこだての美食2022」(発行者・ガストロノミーカレンダー制作委員会、出品者・深谷さん)で、各月の写真の料理はその店に行くと食べられる。1月の五勝手屋本舗(江差町)の「鯛(たい)の口取り」を皮切りに、江差のサクラマス、厚沢部のグリーンアスパラガス、鹿部のミズダコ、道南産タマフクラなど道南の多彩な食材を使った料理を月替わりで紹介している。
表紙上部は、レオナルド・ダ・ビンチの作品「最後の晩餐(ばんさん)」を表現した写真、下段はマスクを着けメニュー作りに悩む料理人たちを表した写真を採用した。深谷さん(74)=レストランバスクオーナーシェフ=は「新型コロナウイルスが終わったら『あのときはマスクをしていたんだ』と当時の状況をレガシー(遺産)にして懐かしむことができるカレンダー」と強調する。
また、深谷さんは「料理を見て、函館を旅行先に選ぶ動機付けにもなる」と話し、「写真よりもアイデアや企画が評価され、素直にうれしい。函館市や水産加工会社など、これまで大口で購入してくれた人たちに感謝したい」としている。
カレンダーは2650部製作し、1部1100円。バスクで扱い、収益を1年半に1回、函館で開かれる世界料理学会の運営経費に充てる。問い合わせは、バスク(0138・56・1570)へ。
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