大樹高校でカントリーサイン型のペーパーウェイトづくりを指導する清水教授（中）＝提供写真

　室蘭工業大学（空閑良壽（くが・よしかず）学長）は９、１０の両日、包括連携協定を締結している十勝管内大樹町の小中高校で初めて出前講座を行った。児童生徒の指導に当たった同大ものづくり基盤センター長の清水一道教授は「子どもたちに非常に喜んでもらえた。地方でも大学との交流ができるということを分かっていただけたし、私たちにとっても良い経験になった」と振り返った。

　同大の特色ある教育・研究・地域貢献への取り組みをＰＲする「インフォメーションキャラバン」の一環。清水教授、楠本賢太助教、学生ら１２人が２日間に大樹小学校、大樹中学校、大樹高校を訪れ、計約１５０人の児童生徒を指導。併せて、同大航空機システム研究センターの取り組みなどを紹介した。

　出前講座では、清水教授が道内におけるものづくりや製造業の役割を説明。児童生徒は、スズを使ったカントリーサイン型のペーパーウェイト（文鎮）づくりを体験した。大樹高校の生徒は「実際に大学の授業を受けて刺激になった。『挑戦したい人だけにチャンスがある』という清水先生の話に感銘を受けた」と感想を語った。

　清水教授は「ものづくりを通して、工学への誘いができることが本学の強み。出前講座をきっかけに、一人でも本学へ進学する子が出てきてほしい」と期待している。

　同大と大樹町は２０２０年（令和２年）３月に包括連携協定を締結し、同年１０月に同大航空宇宙機システム研究センターの大樹サテライトオフィスを開所。同町の宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」との共同研究を促進し、宇宙関連イベントへの支援・協力も行っている。