「涙が出るほどうれしい」【浦河】
14日、中央競馬の阪神第11レース「第46回エリザベス女王杯」(GⅠ)で、浦河町の辻牧場生産のアカイイト(牝4)が優勝した。レース後、同牧場には池田拓町長や様似町の木下行宏副町長ら関係者が集まり、喜びの万歳でGⅠ優勝を祝った。
同牧場の辻弘毅社長(81)はこの日、様似町鵜苫の自宅で息子の助(たすく)取締役ら家族でテレビ観戦。後続に2馬身突き放した強い競馬でアカイイトの勝利を見届け、「涙が出るほどうれしかった」と辻社長。
人気は10番だったが、中竹和也調教師から「今までで一番いい状態」と聞いており、辻社長は「ひそかに期待していた」「初めての重賞がGⅠでこの先が楽しみ」と笑顔。
辻牧場は明治43年創業の老舗の牧場。繁殖本場が浦河町東幌別、育成を様似町の鵜苫沢ほかで分担。親の時代から兄弟で経営し、現在はその息子たちのいとこ同士で共同運営している。従業員51人で繁殖牝馬70頭を管理している。
1966年(昭和41年)皐月賞馬のニホンピロエース、71年菊花賞馬のニホンピロムーテー、77年の桜花賞、エリザベス女王杯優勝のインターグロリアなどの歴代クラシックホースを輩出。同牧場のGⅠ制覇は2018年に京都競馬場で行われた「第8回JBCレディスクラシック」(統一GⅠ)をアンジュデジールで制して以来3年ぶり。
助取締役(50)は「アカイイトがGⅠを勝ててとれもうれしい。これからもけがをせずに、無事に走ってくれたらうれしい」と話していた。 浦河町産馬は、今年6月の安田記念をダノンキングリー(三嶋牧場生産)、11月の第11回JBCレディスクラシックをテオレーマ(笠松牧場生産)が制し、GⅠ勝利が続いている。
祝いに訪れた池田町長も「この調子で勝ち続けてほしい」と話し、ひだか東農協の笹島政信組合長は「浦河にいい風が吹いている。優勝は生産者の努力の賜物」とたたえ、牧場関係者や訪れた人たちは万歳で喜びを爆発させた。
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