スケトウ刺し網漁10月1362トン 前年上回るも低水準【函館】
渡島管内でのスケトウダラ刺し網漁は、漁が解禁した10月の漁獲量が前年同月比16%増の1362トン(速報値)となった。昨年は極端な不漁だっただけに、さほど増えた実感はなく、おととしの10月(2978トン)に比べると半分以下の大幅な減少。噴火湾沿岸の水温低下で今後の挽回が期待される。
道南太平洋海域(渡島、胆振、日高管内)でのスケトウ刺し網漁は10月1日に解禁され、渡島では5日に今季初水揚げがあった。1362トンはえさん(椴法華)、南かやべ、鹿部、砂原の4漁協の合計で、渡島総合振興局は「はしりは悪かった昨年並みの数量で良いとは言えない。初水揚げが5日と遅かったことも影響した」(水産課)としている。噴火湾周辺の森、落部、八雲、長万部の各漁協でも水温が下がって魚の群れが見えてくれば、出漁する見通し。
渡島での10月の1キロ単価は同4%減の84円で、金額は同11%増の1億1405万円だった。
漁期は来年3月までだが、漁場形成が早い渡島は今月から漁が本格化し、卵が熟す12月上旬~1月上旬が漁獲のピーク。例年だと1月には水揚げペースは落ち着き、2月にはほとんどが終漁する。
10月の漁獲に関し、道総研函館水試の武藤卓志主任主査は「漁期の前半に沖合でプランクトンの死がいが大量に沈殿し重さで網が倒れ、魚のかかりが少なかった。また、噴火湾での水温は平年よりやや高かった。2016年級群は良いが、ほかの年級群が良くないので、資源量が急激には回復していないことが振るわなかった要因」と指摘。今後の見通しについて「水温が下がれば、12月に挽回できる可能性はある」としている。今月10~18日に同水試の試験調査船・金星丸で道南太平洋のスケトウ分布密度を調査しており、結果は今月下旬に公表する。
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