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函館新聞

シンガポール大と函館の企業連携 現地ニーズ捉え商品開発【函館】

道南のヒラメを使ったごまみそ味の加工品を手にする坂井専務

 函館市は、市内の企業とシンガポール国立大学が連携し、現地に受け入れられる商品を開発する支援事業に取り組んでいる。10日にはオンラインによる開発商品の発表会と試食会が開かれ、担当学生が現地からプレゼンテーションを実施。開発を依頼した企業担当者は「現地に受け入れられる味の傾向などを細かく分析していて大変参考になった」と評価。今後は商品化の可能性なども模索していく構えだ。

 シンガポールを含む東南アジア圏は、所得水準の向上に伴い日本食への関心が高まっている。一方で現地のバイヤーからは「食文化の違いから、商品の味付けやパッケージなどがなじまない例が多い」との声が聞かれるという。今回の事業では、東南アジア屈指の名門校であるシンガポール国立大学の研究チームと函館の企業が協働。同大では、函館から送られた食材をどのように加工すれば地元に受け入れられるか、8月から調査研究を重ね製品の開発に取り組んできた。

 今回開発を依頼したのは、鮮魚店「坂井商店」(石川町)と卸売総合会社「第二物産」(桔梗町)。道国際交流センター(元町)で開かれた発表会には坂井商店の坂井貴博専務と第二物産の田仲真人取締役が出席した。

 坂井商店は、道南で安定的に確保できるヒラメを使った商品開発を依頼。同大では現地の食習慣や味覚調査などを踏まえて、生の切り身をごまみそ風味に味付けた加工品を開発。試食した坂井さんは「日本人にも違和感なく食べられる味付けでとてもおいしかった。学生が短期間でここまでクオリティーの高い製品に仕上げてくれたことに拍手を送りたい。コスト面などの問題をクリアできれば製品化を目指せるのでは」と意欲を見せた。

 第二物産は、同社の人気商品「函館塩辛ポテト」に使用している乾燥塩辛パウダーを提供。同大は辛味が特長のフレーバー「麻辣(マーラー)」に着目。魚の皮、レンコン、キノコ、ブロッコリー、ピーナッツを真空フライし、塩辛とマーラーをブレンドした調味料で味付けしたスナック菓子を製品化した。田仲さんは「キノコをスナックに使用するアイデアは新鮮。真空フライという専門的な製法を使っていることにも驚いた。製造時の湿気対策や原材料の調達など製品化にはハードルがあるが、学生の詳細な研究内容はとても参考になった」と感心していた。

 市経済部食産業振興課は「学生による素晴らしい研究内容は今後の東南アジア向け輸出ビジネスに生かすことができる貴重な情報。次年度以降も事業を継続していきたい」としている。

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