チョコレートの国内予選で総合優勝 パティシエ小清水さん 苫小牧出身
苫小牧市出身のパティシエで、チョコレート工房「チョコレートタイムズ」(東京都三鷹市)代表の小清水圭太さん(31)が、10月13日に都内で開かれた「第9回ワールドチョコレートマスターズ」の国内予選で総合優勝を果たした。チョコレートの味だけでなく技術や芸術性を競う世界コンテストで、2026年に欧州で開催される世界大会に日本代表として出場する。
ワールドチョコレートマスターズはフランスのカカオバリー、ベルギーのカレボーといった有名チョコメーカーの共催で3年ごとに開催。「世界一のチョコレートマスター」を決める。
今回の共通テーマは「play(遊ぶ)!」。日本のほかフランス、ベルギー、韓国など計18カ国で予選があり、各国のパティシエ、ショコラティエがテーマを踏まえ音楽、映像などを駆使したチョコレートの新たな魅力発信の技を競う。
小清水さんは「THE GAME」を自身のテーマに据え、レシピや作品画像などの1次予選を通過。全国から集まったファイナリスト6人で最終選考に臨んだ。プレゼンテーションと実技4部門をいずれも高得点でクリアし、実技のうち「楽しむシェアデザート」「プレイボックス・ショーピース」の2部門では部門賞も獲得。豊かな発想力、表現力が審査員の高評価を得た。
友人や家族とテーブルを囲んでシェアできることを課題とする「楽しむシェアデザート」部門では、ゲームコントローラーを模したデザインで製作。慶応大理工学部の協力で、拡張現実(AR)を用いた仕掛けも施した。
苫小牧高専を中退して新潟県の製菓調理師学校を卒業後、道内のホテルや東京都内の菓子製造メーカー勤務を経て、22年に三鷹市で店舗兼チョコレート工房のチョコレートタイムズを立ち上げた。これまでに「ジャパンケーキショー」のマジパン細工部門やチョコ細工などで多数の受賞歴を持つ。
国内予選初出場で総合優勝の快挙を成し遂げた小清水さんは「予選とは異なるぶっ飛んだアイデアで世界大会に臨む」と意気軒高。世界大会では07年と09年に日本人が優勝したが、近年は欧州勢がタイトルを独占。15年ぶりの奪還に向け周囲の期待も大きい。
小清水さんは、大会にはサステナブル(持続可能性)やクリエーティブ(創造性)が求められるとした上で、「持ち前の人を喜ばせたいという強い気持ちを生かし、みんながわくわくするようなチョコを作りたい」と話している。
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