英傑の霊を慰める シャクシャイン第78回法要祭【新ひだか】
【新ひだか】アイヌ民族の長シャクシャイン(1669年没)をしのぶ第78回法要祭(実行委主催)が22日、静内真歌公園のシャクシャイン像前で行われ、人間平等の理想と民族自衛のため和人と戦った英傑の霊を慰めた。
シャクシャインは松前藩の圧迫や過酷な搾取に対して、アイヌ民族のために立ち上がり、道内各地から同族多数の参加を得て静内からクンヌイ(今の渡島管内長万部町)まで攻め寄せるが、幕府の援軍にはばまれ、シベチャリ(静内地方)のチャシ(とりで)まで後退。松前藩の和睦交渉に応じたが、その席で謀殺された。
法要祭は、シベチャリのチャシがあった真歌の丘で毎年開催している。今年も道内各地のアイヌ協会幹部や道アイヌ協会の加藤忠前理事長、鈴木宗男参議、山岡達丸衆議、鈴木直道知事(代理)、松浦克巳内閣官房アイヌ総合政策室長、管内選出の小林雄志道議、大野克之新ひだか町長ほか管内の各町長らが参列。一般参加者を含め道内外から約1千人が来場した。
平和への祈りをささげる姿のシャクシャイン像の前で法要拝礼が行われた後、実行委員長の大川勝新ひだかアイヌ協会長は「シャクシャインが亡くなってから355年となる。アイヌ民族は過去の歴史を重く受け止め、多くの方々と親交を深めつつ未来に前進しようとしている」とあいさつ。
来賓の大野町長は「町の取り組みとして、1昨年から国の交付金を活用しシャクシャイン記念館をリニューアルし、今年は多機能型生活館建設工事を行っており、来年3月に完成の予定。アイヌ民族の方々の活動を支援しながら、ここを拠点に文化の振興、伝承に努めていきたい」と話した。
シャクシャイン像の前で礼拝が行われた後、公園広場で「ハルランナ」(餅まき)が行われ、実行委員や来賓が参加。昼食時にはマチェプ(シャクシャイン鍋、サケの串焼き)などが提供された。
また、法要祭後には日高管内各町や道東など道内10保存会から約150人が参加し、第47回芸能文化交流会が行われ、古来から伝わる踊りと歌の舞踊を披露した。
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