“埋もれタヌキ”死ぬ 動物園SNSで人気「あん」【帯広】
落ち葉に埋もれる“埋もれタヌキ”で人気を集めた、おびひろ動物園のエゾタヌキ「あん」(雌、11歳)が2日に死んだ。3月中旬からふらつきが見られ、園内の動物病院で治療していた。
同園によると、栄養補助や痛み止めなどを投与し、一時食欲が戻って狐狸(こり)舎で過ごした時間帯もあったが、2日朝に動物病院で死んでいるのが確認された。
飼育下のエゾタヌキの寿命は約10年。解剖では肝臓に腫瘤(しゅりゅう)が見つかった。
あんは旭山動物園(旭川市)で生まれ、2017年9月に帯広に移った。落ち葉に埋もれる行動は、餌を探す本能的な「探索行動」を引き出す狙いだったが、SNSで人気に。昨年11月のX(旧ツイッター)の投稿でも約6万2000件の「いいね」が付いた。
同園がXであんの死を発表すると、道内外のファンらから150件近いコメントが付いた。「エゾタヌキという存在を知ったのもあんちゃんのおかげ」「エゾタヌキとおびひろ動物園を全国的に有名にした」などの感謝の言葉が送られている。同園にはファンから手紙や花束が届いている。
飼育展示係の中山大志さんは、道内の8園館が参加する「北海道産いきもの保全プロジェクト」が動き出したのもあんなどエゾタヌキのおかげだと振り返り、「動物園での動物の飼育を意味あることにしたいと思い、一緒に行動してきたパートナー。あんと、応援してくださった方々に深く感謝している」と話している。同園で展示中のエゾタヌキは2頭になった。
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