紺綬褒章の遺族追賞を授与された土居克子さん（左から２番目）、鳴海新冠町長（左）、妹夫妻と大鷹日高町長（右）

【日高・新冠】町の振興発展のため私財を寄付した故・田端しづゑさん＝三原＝の遺族で長女の土居克子さん宅で22日、大鷹千秋日高町長と鳴海修司新冠町長から紺綬褒章の遺族追賞として杯記と木杯が伝達された。

　故・田端しづゑさんは、２０２２年（令和４年）10月に日高町へ６千万円、新冠町へ２千万円を寄付した。同年11月に逝去されたことから遺族への伝達式を執り行った。

　大鷹日高町長は「町に対し多額の寄付をいただき厚く御礼申し上げる。寄付についてはしづゑさんの遺志であった地域医療の充実として、門別国保病院の訪問診療巡回車両等を導入させてもらった。今後も町の振興発展のため有効に活用させていただく」、鳴海新冠町長は「紺綬褒章、誠におめでとうございます。貴重な私財を寄付いただき改めて御礼申し上げる。しづゑさんの遺志に沿って、まちづくりに活用させていただく」とそれぞれ謝辞を述べた。

　遺族追賞の伝達を受けた土居さんは「このような名誉ある褒章をいただき、母も喜んでいると思う。思い入れのある両町に対する寄付を行ったことは、生前の母の強い念願であり、母がお世話になった門別国保病院の訪問診療に役立てていただけたことは、娘としても大変嬉しく思う。今後も両町の発展のために使っていただきたい」と話した。

　紺綬褒章は、公益のために多額の寄付をした個人・団体に授与される国の褒章制度で、その功績が顕著と認められた場合、国から授与される。