いまだ網走の海を埋め尽くす流氷。灯台の向こうには蜃気楼（しんきろう）が発生し、景色が上下対称に見える

　【網走】市内の沿岸はいまだ流氷が居座り、例年にない「当たり年」となっている。週明けまでは一進一退を繰り返しながらも沖合いには残りそうで、しばらくは流氷漂うオホーツクの海を楽しめそうだ。

　平年より３日、昨年より14日早く初日を迎えた網走の流氷は、その３日後に接岸初日を観測するなど、今年の流氷はシーズン当初から順調な動きを見せていた。

　例年だと、その後に岸から離れたり近づいたりを繰り返すのが常だが、今シーズンは１月中旬から大型の流氷塊が岸まで押し寄せ、オホーツク流氷まつりが行われる２月には十分すぎるほどの流氷が到来した。

　あまりの流氷の多さから冬観光の主役、流氷観光砕氷船おーろらも沖に出られず、網走港内クルーズに切り替わる日もあったほど。

　その後、３月になって水平線近くまで後退し、今シーズンの流氷も終わりかと思われたが、荒天に伴って北寄りの風が吹き、再び到来。また離れたかと思ったら海面に筋状の流氷帯が広がるなど、観光客はもちろん地元住民にとっても冬のオホーツクらしい美しい光景が広がった。

　今週までは日中の最高気温がマイナスだったが、気象台の２週間予報などを見ると、来週からはプラスの予想。４月に入ると一気に春らしい暖かさが訪れるとみられる。

　そのため、流氷がよく見られるのは来週の中ごろまでとなりそう。今のうちに、冬の網走ならではの光景を楽しんでおくのがよさそうだ。