クレーンで陸揚げされる流氷塊

　【網走】市は11日、オホーツク流氷館に展示している流氷を入れ替えるため、新しい流氷を網走沖で採取、網走港に陸揚げした。今シーズンは流氷の「当たり年」といわれる通り、良質の流氷が採取できたことから、関係者は「今年は良い流氷を展示できる」と喜んでいる。

　採取したのは幅20㍍前後、推定３００㌧の流氷塊。渋田海運の作業船「益英丸」（19㌧）が10日、鱒浦沖10㌔付近で見つけ、同日のうちに網走港までえい航。沖に流されないよう、第２埠頭岸壁に係留し、陸揚げを待った。

　11日は、午前８時ごろから陸揚げ作業が行われた。日本通運網走支店のクレーンが、大きな流氷の塊を適当な大きさに砕きながら海面から吊り上げ、岸壁に上げていった。

　自動車１台分くらいの大きさのものから１㍍程度の塊と、大きさはさまざまだが、どれも流氷らしい青色が見事に映える良質の流氷ばかり。

　シーズンによっては締まりが悪くザクザクのこともあるが、今シーズンは立派な流氷塊ばかりで、関係者も満足そうな表情で作業を見つめていた。

　陸揚げされた流氷は、岸壁に置いて水抜きした後、15日にオホーツク流氷館に運び、入れ替え作業を行う。同館田口桂社長は「今シーズンも、大きくて良質な流氷が採取できてほっとしている。入れ替え後は、真新しい流氷になるので、観光客にも喜んでもらえると思う」と話していた。

　網走の流氷採取は１９７６年、第11回あばしりオホーツク流氷まつりのイベント「流氷地曳（じびき）」に使うため陸揚げしたのがルーツといわれている。