スピードスケートのジュニアＷ杯で活躍し、網走市栄誉賞を受賞した辻本君

　【網走】スピードスケートの全国大会で活躍し、網走二中からスケートの強豪、白樺学園（十勝管内芽室町）に進学。ジュニアワールドカップ（Ｗ杯）で銀と銅のメダルを獲得した同校３年の辻本楓芽（ふうが）君に７日、網走市栄誉賞が贈られた。

　西小、二中を経て同学園に進学した辻本君は、小学校時代から網走市民スケート大会などに出場し、活躍。中学２年では全国中学校スケート大会に出場。男子５００㍍で６位、同１千㍍で８位に入賞するなど、全国でも活躍していた。

　同学園に進学してからもスピードスケートに打ち込み、日本スケート連盟ジュニア強化選手に。昨年行われたジュニアＷ杯のイタリア大会に出場し、バゼルガ・ディ・ピネでの第１戦５００㍍で銀メダル、続くコラルボでの第２戦でも５００㍍で銅メダルとなった。

　市長室で行われた贈呈式で、水谷市長から賞状と記念の盾が贈られた。賞状には「青雲乃志」（立身出世により高い地位に登っていこうとする気概の意）と書かれており、水谷市長は「青雲の志を持って、次の目標に向かって頑張ってほしい」と激励した。

　これを受け、辻本君は「網走市栄誉賞をいただけてうれしい。よりいい結果が残せるよう、頑張りたい。まずは来季のジュニアＷで金メダルを持ち帰りたい」と、さらなる飛躍を誓っていた。

　辻本君は春からスケートの強豪、専修大に進学が決まっており、19日には網走を発つという。贈呈式に同席した網走スケート協会の寺中賢武会長は「網走という厳しいスケート環境の中で、小さい時から頑張っている姿を見ていたので、素晴らしい成績を残せたのは協会としてもうれしい」と、辻本君の活躍を喜んだ。

　兄や姉の影響で、３歳からスケートを始めた辻本君は、高校は網走を離れて白樺高への進学を選択。当時、スケートを続けられる高校はいくつかあったが、白樺高の監督から説明を受けた際「この学校で頑張りたい」と思ったのが、選択の決め手になったという。

　同校は、校舎から道路一本隔てたところにスケートリンクがあったり、小学、中学ではできなかった陸トレができるなど、網走のころと比べて練習環境が充実。辻本君もこの環境の中で自身を磨き、高校最後の今シーズンはキャプテンとしてスケート部をけん引。インターハイでは男子５００㍍と１千㍍の２冠を達成するなど、高校生のトップにまで成長した。

　目指すはオリンピックだが「２年後のイタリアは難しいと思う」と、６年後を見据えている。

　網走市栄誉賞は、市内在住、もしくは網走市出身者が国内、海外のスポーツや文化で活躍した人に贈るもの。１９９１年から始まり、従来は「栄誉をたたえて」の名称だったが、11年から現在の名称となった。

　栄誉賞と特別栄誉賞など、複数回受賞している人もおり、これまでに延べ17人１団体が受賞。過去の栄誉賞受賞者には、バンクーバーオリンピックにスピードスケートで出場した太田明生さん、パラリンピックのアルペンで２大会連続金メダルを獲得した狩野亮さんなどがいる。