タブレットを活用しながら、児童生徒が意見交換した

　【網走】学校生活でより良い人間関係をつくるためにはどうすれば良いかを、児童生徒自身で考える市教委の「網走市子ども会議」が、市エコーセンターで開かれた。市内小中学校の児童会、生徒会の役員など、30人が参加。互いに話し合い、意見を取りまとめて発表した。

　話し合いに先立ち、各学校の児童会、生徒会が、それぞれどのような取り組みをしているかを発表した。

　「男女の仲を深めるため、手つなぎ鬼をしました」（白鳥台小）、「全学年がグループになって掃除や遊びをする『たてわり活動』に取り組んでいます」（中央小）、「心絆（ハート）をスローガンに、その人の良いと思ったところを書いて回収ボックスに入れる『幸せ共有』をしています」（一中）など、各学校独自の取り組みを紹介。他校の児童生徒も興味深く聞き入っていた。

　続く意見交換では小中学校の別なく６つのグループに分かれて話し合った。

　各グループでは、中学生がリーダーになり、話し合いを主導。事例１「毎日、いやなあだ名で呼ばれている」、事例２「同じクラスの子にいつもからかわれている」の２つを基に、自分だとどのように気持ちになるか、この様子を見た時に何ができるかなど、活発に意見を出し合った。

　従来は、テーブルの上に模造紙を広げ、付せんなどに出た意見を張っていくのが主流だったが、今回は市内の全小中学生に配布、授業などで活用しているタブレットを使用した。

　それぞれ、思いついたことを記入し、タブレットの画面に表示すると、グループ内全員のタブレットにも同じものが表示され、意見を共有した。

　「見ているだけじゃ、助けられていない。同じいじめをしているように見える」「あだ名で呼んでいたら、止めるまで『嫌がっているよ』と言い続ける」「見ているだけだと不安になると思うから、声をかけてあげると良い」など、どの児童生徒も自分の立場で考えた意見を挙げていた。

　意見が集約できたところで、より良い学校生活にするための、特にいじめをなくすための意見を「子ども宣言」としてまとめ、発表した。

　各グループがまとめた宣言は▽いじめが起きたら、エスカレートする前に自分から行動します▽いじめに気づいて声をかけます▽いじめを見かけたら、相手の気持ちになって考え、何か一つでも行動を起こします▽見ているだけではなく、１人ひとりに気をかけて、いじめられている人に話をします▽いじめられている人の心に寄り添って、見て見ぬふりにならないよう、何か行動を起こします▽いじめを見て見ぬふりをせず、勇気を出して止めに入ります―の６つ。

　会議を主催した市教委は、子どもたちの宣言を掲載したポスターを製作。各学校に掲示してもらうことで、いじめ防止に役立てる。