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函館新聞

性的少数者の生きづらさ考える 道教育大で講座【函館】

トークセッションなどで、性的少数者の生きづらさへの支援の在り方を語った(左から)皆川氏、木村氏、前田氏

 LGBTなど性的少数者の生きづらさ解消を考える講座「LGBTQ+のこどもとおとな」がこのほど、道教育大函館校で開かれた。有識者による講演やトークセッションを通じ、オンライン参加を含めた40人が当事者に対してできる支援への関心を深めた。

 道内で当事者の孤立解消に向けた交流イベントなどを開く「にじいろほっかいどう」(国見亮佑理事長)が主催。12日に開いた。

 過重労働をはじめとした労働事件や家事事件を多く扱う、きたあかり法律事務所(札幌)の皆川洋美弁護士は講演で2021年の自殺者統計に触れ、有職者が自死を選択する理由として経済・生活問題、勤務問題を動機とする男性が女性より圧倒的に多く「お金を稼がなければならない、仕事は休めないといった自負が男性にあり、男女で偏見の差がみられる」とし、生きづらさを感じる根底にジェンダー(性役割)への無意識の偏見があると指摘。

 また、自死に至る心理的負荷の要因となるハラスメント行為への周囲の対処として「第三者に助けを求める」「証拠を残す」などのほか「加害者に注意するなど直接介入することは一番大変だが効果的」とし「マイノリティーの立場の被害者に対し、中立で正しい立場にあるマジョリティーの側が注意することで好意的に捉えられ、組織を改善に向かわせる」と紹介した。

 同校の木村育恵教授は性別による決めつけを基にした慣習が学校現場に潜んでいることを指摘し「(偏見が)多様な子どもたちの可能性を狭める可能性があり、生活の多くの時間を過ごす学校の仕組みを捉え直す必要がある」と強調。当事者の子どもが抱える困難として差別的な呼び方をされることやアウティングを挙げ「性や生、多様性は全ての人々の課題であり、誰一人第三者ではいられない。性的マイノリティーがいないことを前提に学校制度が維持・再生産されていることに気づくことが重要」と語った。

 トークセッションでは2氏に加え、当事者の居場所作りや相談業務に取り組むNPO法人プライドハウス東京の前田邦博理事が登壇し「当事者だけでなく、アライ(支援者)も含めて取り組んでいくべき。アライの力も借りながら、当事者が存在を示せる場を作ることが大事になる」と力を込めた。

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