スピードスケートのジュニアＷ杯男子５００㍍で銀、銅に輝いた辻本君

　【網走】スピードスケートの全国大会で活躍し、網走二中からスケートの強豪、白樺学園（十勝管内芽室町）に進学した同校３年の辻本楓芽（ふうが）君が、昨年行われたジュニアワールドカップ（Ｗ杯）のイタリア大会に出場。バゼルガ・ディ・ピネでの第１戦５００㍍で銀メダル、続くコラルボでの第２戦でも５００㍍で銅メダルとなる活躍をみせた。辻本君はこのほど、網走市役所を訪れて水谷市長に結果を報告。「６年後のオリンピックを目標にしたい」と抱負を語った。

　昨年11月に開かれた第１戦は36秒８、同12月の第２戦は35秒93のタイムだった。

　小学校時代から網走市民スケート大会などに出場し、断トツの強さをみせていた辻本君は、網走二中２年生の時に全国中学校スケート大会に出場。男子５００㍍で６位、同１千㍍で８位に入賞するなど、全国でも活躍していた。

　同３年生の時も全国大会の出場権を得ていたが、新型コロナの緊急事態宣言を受け、大会は中止。前年のリベンジは果たせなかったが「来年につながるよう、前向きに練習していきたい」と話していた。

　二中卒業後は、白樺学園に進学。今シーズンは全国高校選抜スピードスケート競技会の５００㍍と１千㍍で優勝。全国高校スケート選手権、全日本ジュニアスピードスケート選手権でも５００㍍３位になるなど、高校生の全国トップクラスに成長した。

　「高校３年生でジュニアオリンピック出場を目指す」と目標を語っていたが、大会の出場規定が変わってしまい、かなわぬ夢に。そのくやしさをぶつけるかのように、昨年イタリアで開かれたジュニアワールドカップに出場した。

　日本スケート連盟ジュニア強化選手にもなっている辻本君は、この３月で同学園を卒業。４月からは、やはりスピードスケートの強豪で、多くのオリンピック出場選手を輩出している専修大に進学。さらに上を目指す。

　水谷市長にジュニアワールドカップの結果を報告した辻本君は「伸び悩んだ時期もあったが、３年目でインターハイ男子５００㍍と１千㍍の２冠を達成し、ジュニアワールドカップにも出場できたので、良い感じで終われたと思う」と、高校生活を振り返った。

　専修大では、１年生のシーズンもジュニアで出場できる。上の学年には、同学園で先輩だった選手もおり、不安はないという。「１年目はまだジュニアだが、インカレなどでしっかりと成績を残し、シニアになっても戦えるよう頑張りたい」と大学進学に向けての抱負。

　２年後にはイタリアでオリンピックが開かれるが、自分より速い選手が多いことから、「６年後の冬季オリンピックを目指して頑張ります」と、力強く語った。

　冬季オリンピックのスピードスケートでは、バンクーバー大会に網走出身の太田明生さんが出場している。

　水谷市長はこの時、現地を訪れて太田さんを応援していることから、辻本君にも期待。「ぜひ網走から応援団が行けるよう、元気に活躍してください」と、エールを送っていた。