ゴーグルやイヤーマフ、重りを付けて日常の動作を体験する児童たち

　室蘭市ボランティア・アドバイザーの会（市川千恵子会長）による出張教室「高齢者疑似体験」が３０日、室蘭市宮の森町の旭ヶ丘小学校（清水卓校長、５１３人）で開かれた。４年生７４人が体が自由に動かない大変さを知り、高齢者に対する思いやりを学んだ。

　総合学習の一環。同会の会員らが講師を務め、児童たちが高齢者の体験、車椅子の介助方法を学んだ。高齢者の体験では目が見えにくくなる視覚障害ゴーグルやイヤーマフ、手足に約４キロの重りを付けて、介助者と一緒に体育館を歩き回った。子どもたちは階段の昇降や床に落ちている小銭拾い、ペットボトルのキャップを開けてコップに水を注ぐ作業などを体験。普段は問題なく行えることも「足が曲げづらい」「目がよく見えないから難しい」と、大変さを知った。

　車椅子介助では講師が「何か変化があったら声をかけ、優しくゆっくり押してあげて」とアドバイス。児童たちは車椅子に乗った級友に対し「この先に段差があります」「曲がりますね」と声をかけ、慎重に介助を行った。

　高齢者疑似体験を行った河合楓さんは「関節が思っているように曲げられなくて、階段を降りるのが怖かった。今度困っているお年寄りの人を見かけたら、荷物を持ったり支えてあげたい」と話した。