芽室町上美生で無農薬、化学肥料ゼロのハーブや果樹を栽培する「いろどりファーム」（飛田彩夏代表）は、生産するトドマツ精油の消臭効果に着目した新サービスを始める。同精油とアロマディフューザーを出張で設置するサービスで、臭いの問題を抱える介護現場などでの利用を見込んでいる。

トドマツ精油を利用したアロマディフューザーの新たなサービスを始めるいろどりファームの暁さん（左）。右は藤田さん

　いろどりファームのトドマツ精油「２０２５」（１瓶７ミリリットル、２９７０円）は、十勝産トドマツを原料とし、自然由来の香りを楽しむ人向けに２０２０年に発売。帯広市内ホテルのサウナでロウリュウ用のアロマとして使用されるなど、リラックス効果が主眼の「香り」に着目した商品だ。

　消臭効果への着眼は、飛田代表の夫・暁さん（３８）が実母を在宅介護した経験がきっかけ。「実の母親のオムツを替えることに加え、臭いにもかなりの抵抗があり、精神的につらかった」（暁さん）との経験が介護現場が抱える共通の課題と受け止め、臭い問題を解消するサービスを思いついた。

　サービス化に当たり、暁さんの母親がデイサービスで利用する博愛会（細川吉博理事長）の小規模多機能型居宅介護施設「あんさんぶる開西」や町内の保育所の協力を受け、トドマツ精油を使ったアロマディフューザーを設置。トドマツ精油の香りを拡散させることで得られる消臭効果を検証した。

　あんさんぶる開西で介護に携わる藤田剛士さん（４０）は「しっかりと嫌な臭いが消え、４時間、ディフューザーを炊くだけで１日効果が持続した。香りの濃度もきつすぎず自然。臭いが無くなるだけで精神的な負担は全然違う」と効果を実感したという。

　サービスは、アロマディフューザーとトドマツ精油（１０ミリリットル・２２００円）の設置で、初期費用１万６５００円で販売。使用期間は約１カ月間で、消耗品のトドマツ精油は随時買い足す。

　また、設置の際にメンテナンス方法や適した設置場所などの注意点を対面で説明する。

　暁さんは「トドマツは道内にしかない木であり、香りの地産地消で、在宅介護の現場など生活に役立ててほしい」と話している。

　問い合わせは同社（０５０・３５６２・０８２８）へ。